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第16話

俺はあの日靴箱の手紙を見て体育館の裏に行った。 川端が立ってた。 俺は見慣れない顔だったから、初め勘違いかと思ってキョロキョロした。 そしたらこいつが 「お前呼んだの俺だよ」 って不気味な笑みを浮かべた。 「大事な話ってなんですか?」 と訪ねると、 「話?ってか、大事な事って感じかな?」 また不気味に笑った。 後ろから微かに足音がして近くなったと思って振り返ろうとした瞬間、口を塞がれ膝の後ろを足で押されてバランスを崩した俺は倒れた。 「うっ!」 俺は何が起こったのか瞬間分からなかった。 後ろから物凄い勢いで走って来る足音がした。 口を塞がれた手を振りほどこうともがいてる間にその足音の人物に足を抑えられて靴を脱がされた。 蹴っても痛くないように、そういう事なんだと後で気が付いた。 川端がゆっくり歩いて来て、俺の腰に馬乗りになると、俺の片手を掴んだ。 俺は声にはならない声を出した。 1人の3年は俺の口を塞ぎ、もう1人は足を持ち、川端が馬乗りに、片手は川端が もう片手は口を塞いでるやつが掴んだ。 かなりガタイのいいヤツらでもうどうにもならなかった。 暴れても叫んでもどうにもならない。 僕のシャツのボタンが弾いた。 下着のシャツがビリビリいった。 何が起きてるのか、じわじわと理解していく。 身体中をいじくり回され、不快感が増し舌が身体中を這う。 ゾワゾワする不快感。気持ちの悪さ。俺は叫びながらむせた。ベルトが外され、ズボンが下げられ、それをどんなに妨げようとしても、虚しい抵抗だった。 下着まで降ろされて、知らず知らずに涙がいやな程流れていた。そして川端がポケットからゴムを出し何やらモソモソし始めると、俺はおぞましさと恐怖で震えた。 肛門にヌルヌルした何かを塗られた。 俺は足にありったけの力を入れて最後の力を振り絞った。 が3人の力には勝てなかった。 結果物凄い激痛が走った。 むせては唸りむせては唸り、俺の人生で1番苦痛な時間を過ごす羽目になった。 早く終わってくれ!早く!もう限界だ! どんなにそう思いながら時間が去るのを待ち望んだことか。 ともかく早く解放されたくて、後はただただ時間が去るのを待った。 気が遠のいていたのか。やっと川端の作業が終わった時には脱力していた。 俺は凄い格好になっていた。アイツらが少しづつ離れた。 むさくるしい暑苦しい男達。 2人の俺を抑えていた男達はゆっくり立ち去って行った。 川端は真横に立っていた。 ゆっくりしゃがんで、俺に話しかけた。 「最後だと思うなよ」 俺は川端を見た。 何も言えなかった。気力もない。 その言葉の意味を理解する力も余力も残されてはいなかった。 ただただ解放されたつかの間の開放感と身体中に残された不快感と激痛と疲労、そして恐怖感、絶望感、後は何を感じてるのかも分からない感覚と感情が交差し続けていた。

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