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第一章・7
「思いきって、買うか」
潮は、フリマアプリのサイトを再び開いた。
買いたいものは、人型AI。
もう、生身の人間としばらく触れ合いたくない。
AIなら、俺を傷つけることもしないし。
ピンからキリまでではあるが、新品は高額だ。
フリマなら、中古が安価で手に入る。
「可愛いAIと、思いきり趣味の話に没頭してやる!」
もう、結婚なんか知らん!
俺は、オタクで充分だ!
いや、オタクでも素敵な家庭を築いている人間はいくらでもいるのだが。
サイトで人型AIのカテゴリを選んでみて、驚いた。
「す、ごい。こんなに可愛い子が、たくさん」
潮は、様々なキーワードで好みのAIを絞り込んでいった。
「髪はショートヘアで、胸はあんまり大きくなくて……」
いわゆる、女性らしさのあまりないタイプを選んだ。
女性絡みで心に傷を負ったのだ。
どうしても、中性的な型に目が行った。
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