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第一章・8

「これだ。超、好み!」  そこには、栗色のショートヘアが爽やかな色白のAIが。  若葉色のシャツに隠れた胸は薄く、白の7分丈ジーンズから伸びた脚はすらりと細い。  こちらに向けて開かれた手は、まるで潮においでと言っているかのようだった。  しかも、安い。  他のAIに比べて、10万円以上も安い。 「どうして、こんなに安いんだろ。少々難あり、なのかな」 『サイバーライン社製 2019年式 MX710HS』 「……型落ちだからかな? 初期設定に、家事全般インプット済み。これは助かるなぁ」  買います! と、潮は入札ボタンをクリックした。  幸いあまり値が高騰することもなく、数日後にはMX710HSが潮のものになった。  発送された品物が届く間、潮はどきどきと胸を高鳴らせていた。  キモくても、ヤバくても、構わない。  俺は、俺の、俺だけの。  俺だけを見てくれる彼女を、手に入れるんだ!  そして運命の日。  休暇まで取って、潮は到着を待った。 「こんにちは~。宅配便です」  来た! 「は~い♡」  潮は、飛ぶように受け取りに走った。

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