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第四章 ダイヤの指輪

「絵夢。おい、絵夢!」 「……あ、お兄ちゃん」  翌朝、なかなか起動しない絵夢に、潮は焦った。 「大丈夫か、絵夢」 「うん、平気。ごめんね、寝坊して」  すぐに朝ご飯とお弁当作るから、と起き上がろうとする絵夢を、潮は押しとどめた。 「いいから、そっとして寝てろ。自分でやるから」  絵夢がやって来て、3ヶ月経つ。  それまでずっと家事の全てを彼に任せていた自分を、潮は反省した。 「よく考えれば、家事って結構重労働だよな」  それを絵夢一人にやらせていた自分を、悔いた。  しかも、夜はセックスまでしていたのだ。 「無茶な使い方してるのって、俺じゃないか!」  その日、会社では上の空で過ごした。 (こうしてる間にも、絵夢が壊れて動かなくなってるんじゃ……)  冷たくなって、床に転がっている彼のヴィジョンまで浮かんでくる。  居ても立ってもおられず、その日は早退してしまった。

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