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第四章・2

「あれ? お兄ちゃん、今日は早いね」 「絵夢、無事だったか?」  具合の悪いところはないか、変な音はしないか、とやたら心配する潮に、絵夢はただ優しい。 「お兄ちゃん、心配してくれたの? 僕は大丈夫だよ」  でも、嬉しい、と微笑んだ。  その途端、絵夢は膝からくずおれた。 「絵夢!」 「異常が発生しました。エラーB1、エラーB1、エラーB1……」 「ああもう、解ったから! ちょっと静かにしてくれよ!」  潮は、取説を急いでめくり、エラーの項目を引いた。 「エラーB1……、バッテリーか!」  急いで、バッテリーを新しいものと交換しなくてはならない。  しかし、近所に人型AIを取り扱っている店はない。  潮はネット通販のサイトを開いた。 「あ、でも!」  絵夢は、サイバーライン社製のMX710HSと偽って売られていたセクソイドなのだ。  バッテリーの型が、合わない。

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