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第3話(R18?)
外山が中谷と別れた翌日。
外山は在宅での仕事をしていた。というのも、外山が務めている会社ではオフィスの仕事とは別に、業務によっては在宅での勤務も認められており、外山もその日の仕事の内容によって使い分けていた。
「そろそろ、19時か」
1人でマンションで暮らしている外山は会社にいる時以上に、自分のペースで仕事をしていた。そして、考えうる全てのケースや質疑を想定して、資料作りを進めていたが、これ以上は社外では仕上げることは難しいことや既に定時を過ぎて、2時間近いこともあり、次の出勤日に持ち越すことにした。
「えっ、着信?」
外山はパソコンを閉じると、スマートフォンを見る。すると、思いがけない人間から着信があったことに気づく。
『中田清光 14:23』
『中田清光 15:47』
今日に限って、14時以降はスマートフォンを見ずに一心不乱に資料を作っていたこともあって、既に中田から連絡があって、2度目の着信から3時間が、1度目の着信から5時間近くが経とうとしている。
中田に連絡するのはあまり気が進まなかったが、2回もかかってきたところを見ると、余程、重要な用件だったのではと思い、かけることにした。
トゥルルル、トゥルルル……。
コール音が嫌な感じに外山の耳に何度か響くと、それは中田の『はい、中田』という声と中田ではない人物の『い、いくっ、イくぅ』という喘ぎ声が遠くから聞こえてきた。
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