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第7話

「マナ、兄さん…… じゃないよな」 「あ…… いっ! いたいっ! 」  縋るように名前を呼べば、下腹を押さえつけられて…… なんと呼べばいいのかを思い出した愛斗は、「あきと…… さん」と、途切れ途切れに名前を呼んだ。 「いい子だ」  ペニスへと触れた明斗の指が、萎えてしまった愛斗のそれを絞るようにして扱き始める。 「う、うぅっ」  痛みに顔を歪めれば、「まだ出るだろう? 」と、告げた明斗が、親指の腹で尿道口を促すようにノックした。 「出したい? 」  下腹を押す掌に、さらなる力が加えられる。一も二もなく頷くと、 「じゃあ、あんなこと二度と言わないな? 」 至近距離まで顔を近付けた明斗が囁きかけてくる。 「…… でも、僕は…… 」 「まだ足りない? 」 「う…… くぅっ」  刹那、ペニスを持つ手に力がこもり、尋常ではない痛みに愛斗は体を大きく震わせた。  いつもは大抵この辺りで、意識を絶ってしまうのだけれど、今日に限ってそうならないのは、これでも加減されているのか、それとも自分が馴れたのか。 「マナが我が儘言うなんて初めてだから、聞いてあげたかったけど、それだけは無理なんだ」  内腿へチュッとキスをしながら、悲しげな声で告げてくるから、愛斗は自分が悪いことでもしているような気分になる。 「でも、でも…… 」 「聞き分けの無い子は、嫌いだよ」  急に低くなる明斗の声。これまで散々嬲られてきたが、熱を持たない冷たい声音を聞いたのは今が初めてだった。 「ごめ…… ごめん…… なさ…… 」  氷のような視線に射抜かれ、不安が心を支配する。  明斗に見放されてしまったら、生きていけない自覚があるから、愛斗は心を押し殺し、謝罪の言葉を唇に乗せた。 「もう、言わない? 」  そっと下腹を撫でた明斗が、甘い声音で囁いてくる。その響きは優しいが、ほんの僅かな毒を帯びている。 「言わない。おなか…… いたい」 「ん、いいよ、出させてあげる」  か細い声で訴えかければ、アナルプラグを掴んだ明斗がそれをクルクルと回転させ、下腹へ圧をかけてきた。 「や、トイレ…… トイレ、行かせて」 「大丈夫だよ。見ていてあげるから」 「うっ…… いぃっ」  愛斗の必死の懇願空しく遂にプラグは引き抜かれ、ソファーの下へ置いてあるバケツに、白濁した浣腸液が勢いよく排出される。 「あっ…… あ」 「可愛いよ、マナ」  こんな醜態をさらす自分のどこが可愛いというのだろう?  そんなことを回らぬ頭で愛斗はぼんやり思うけど、開放感がもたらす愉悦と羞恥の混濁する状況では、明斗の声は耳に入っても心にまでは届かなかった。

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