24 / 27

オマケ 星の夜

 この身体に溺れているのは、俺や。  この白くて細い、背中や胸にも薄いソバカスがとんでいる身体が好き。    普段の無邪気さが完全に消えたエロい顔が好き。  顔に身体に、薄く飛んだソバカス。  その全てにキスしたくなる。  そして、エロい穴。  俺が作ったエロい穴。  俺が作り替えたココ。  ここは最高や。  俺はここしか知らんし、他のんに入れるつもりもないけれど。  こんな気持ちええ場所はないと知っている。  俺が彼のここを、こう変えたんや。  ここは俺のや、そう思ってしまう。  俺のものでなんかないのに。  アイツがもう、後ろでしか満足できないように、俺もここでしかもう満足できない。  「おまえん中、熱い・・・気持ちええ」  背中にキスを落としながら囁けば、穴がしめつけられて思わずうめく。  「俺も、・・・俺も・・・」  アイツが叫ぶ。  シーツを握りしめながら。  可愛い。  可愛い。  「  」  名前をよんで腰を回せば、高く声があがり、穴が搾り取るように蠢く。  いやらしい、可愛い、可愛い。  「   !!」  何度も名前を叫ぶ。  腰を叩きつける。  愛してはやれない代わりに、せめて。  身体だけは存分に貪る。  後ろでイける嬉しさに、彼の理性が弾け飛び、それ以上に我慢していた俺の理性も弾け飛ぶ。  「・・・あか・・ん」  彼がイった。  締め付けられ、俺もイく。  中で出す。    ゴムはいつもせん。  せめて。  全部俺のもんに出来へんのやから、それくらいは許して欲しい。  本当に欲しいんは身体やない。  こんなに気持ち良くて、可愛い身体が好きやけどソレやない。  でもそれは望んだらあかんものや。   まだひくひくと痙攣する身体を俺はキツく抱きしめた。  引き抜き、向かいあい、唇を貪る。  今日は後何度、彼を泣かせてしまうのだろうか。  彼は・・・言わない。  「止めて」とは。  それが分かっていて貪り続ける自分が嫌いだ。  俺は彼の性処理をしていることになっているから。  こうして身体を重ねるのも、彼の願いだということになっているから。  「・・・もっと欲しいやろ?・・・なぁ」  俺は聞く。  もっと欲しいのは俺やのに。  「・・・欲しい」  泣きながら彼は言う。  言うしかないのだ。  可哀想に。可哀想に。  気を失うまで貪られるのだ。  俺は彼の脚を押し広げた。  また入っていく。  俺ので満たされた穴に。  可哀想な彼が呻く。  これからもっと食らわれる。  可哀想で・・・可愛い。  俺は彼を貪り続ける  ・・・抱き潰した後、いつも思う。  こんなに貪っても。  とても遠いと。  愛してはいない。  愛してはいけない。  だから、彼は俺の好きな星達と同じだ。  俺が見る星は何万年も前の光。  何万年もかかって届く光だから。  星達は遠い。  美しいその光にどんなに魅せられても遠い。  そんな風に、どんなに彼を抱いても彼は遠い。  でも遠くなければならない。  近くにいれば愛してしまう。  まるで、死んでしまったかのように眠る彼の喉に手を伸ばす。  片手で絞め殺せるだろう。  彼は苦しむだろう。  そして俺も苦しむだろう。  でも、彼の苦しみは俺の苦しみになる。  指を彼の喉から離す。  今だって彼を酷く抱く時には苦しい。  彼の喉を犯す時、ろくに慣らしもしないで乱暴に挿れる時。  彼の苦しむ顔を見るとき、俺も苦しい。  他人の痛みを自分のものとして感じるのは、本物の感情だ。  彼の苦しみに心が動くことこそが。  本当の感情を感じることほど、甘いものはない。  愛してはいない。  でも、彼を感じる。  彼の快感も苦痛も自分のもののように感じれる。  もう、乱れた姿が想像出来ない程、清らかに眠る彼を抱きしめる。  全部綺麗にした。  中から外から。  俺の手で。  俺は・・・他の誰にも触れない。  愛する者以外には触れる気はなかったし、誰かを愛するつもりもなかった。  でも、彼に触れてしまった。  だから彼だけだ。    愛してる。  その言葉は簡単だ。  でも、本当にそうすることは難しい。  言葉は空虚だ。  そう思っているだけなら、そんなものただの言葉でしかない。  

ともだちにシェアしよう!