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第16話 勇者に救われる世界(魔×光)
勇者は人間の国の奴隷だ。
そんな俺たちを踏み潰し、磨り潰し続けた人々をさらに押し潰していた貴族をさらに踏みつけていただろうキンキラと無駄に輝く服を纏った太った老人が俺の足下で無様に這いずる。
正確には俺の腰へと黒い肌の腕を絡めた赤い髪の鋭い目つきの整った顔立ちの若者の足の下だが。
「我はお前ら人がどれだけ吠えようが喚こうが興味はない。どれだけ腐り爛れようとも羽虫のように我のそばを舞おうとも、眷属どもを皆殺しにしようともな」
グリッとサンダルをはいた足が歪んだ王冠を乗せた白い髪を踏み躙る。
「魔の王よ。恐れながらならばなぜ平和に暮らす人の世に降りられましたか?」
たしか宰相とよばれていた老けた男が這いずるように縋るのを面倒そうに見た赤毛の男は白い鳥の羽の生えた白い髪の魔人が運んできた金の宝箱にいくつも入っていた白いつるりとした丸い石を手に取ると指先で転がす。
「魔人の核か。ツガイを失い周りを巻き込み狂い死にした魔人の核は元の魔人の気配を持つだろうが、これを僅かな期間といえど魔人と勘違いさせるまで魔力を注ぐには何百もの人が必要だろうな」
「人は数だけは多いから」
「そういうものか。我ツガイは物知りだな」
「そんな……んふぅ……ん」
国宝でもある結界を作る為の石を持ったままの指で顎を持ち上げられ、口を開き舌を差し出す。
すぐにぬるりと熱い舌が入り込み擽るように撫でながら、蜘蛛の魔人の作った光沢のある縫い目のない肌触りのいい布で作られたズボンから見えているギリギリ性器を包む程度のピタリとした紐のような下着の中へと入り込んだ指が当たり前のように俺の中を数本の指で嬲る。
「ぁふぁ、主様ぁ」
「光の勇者。お前、裏切ったのか。そのような淫らな姿で魔王に腰を振るとは勇者の名が恥ずかしくはないのか」
俺と絡むのに夢中になって足を放された王がぼろぼろの姿のまま喚くの言葉に軽く首を傾げる。
「これで淫らだってさ。主様もそう思う?」
城のパーティの時に着ていたごてごてしい白い服とも違い。盗賊として結界の外に出ていた白い鎧とも違う、首の金のリングから女の服のように胸元を隠し背中で結ばれた布は薄く透け、休まず可愛がられたせいでぷくりと膨らみ尖り切った赤い乳首を際立たせ、何もしないままに布を膨らませた性器すら透けて見える下着が見えるほどの腰履きのズボンという恰好は娼婦よりも娼婦らしいかもしれない。
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