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第19話 (魔×光)
くすりと笑いながら言われた言葉があまりに予想外だったのか、にやにやと蔑むように笑っていたり、俺の身体を舐めるように眺めていた誰もが顔色を青く染める。
「そんな話は聞いてない」
「ふざけるなっ」
「奴隷など、我らは選ばれた者で……」
「騒がしい。我のツガイの可愛らしい声が聞こえないだろう」
いくつもの不協和音は男が軽く手を振ると同時にどこからともなく走り抜けた雷が床を抉る音と共にピタリと止まる。
「運が良ければ誰かのツガイとしてコレのように可愛がられるだろうから期待しているといい」
腰を揺らされる度に玉を押されぼこぼこと腹を膨らませ、歪に伸びた乳首に身体を吊られたままひぃひぃと甘い声を漏らす俺を姿を自分だけは安全な場所においていた者たちにとって運がいいと思えるはずがないということすら気づかない男は獣のような光を瞳に浮かべながら俺の首へと噛みついた。
「ぁ、ぁぁぁぁっ」」
「すべて消した方が楽だというのに我のツガイは甘く強欲だ。そんなところも愛らしい」
気づかないのではなく気づかないふりをしているだけらしい男は乱暴に俺の中を擦りながらくくっと低く笑う。
「ぁひぁぃぁ、ぅぁぁん」
止まらない快感に溺れたまま真っ青に色をなくしたままただ立ち尽くしたり、蹲ったりしている何人もの無駄に豪華な服を着た人々へと視線を向ける。
どれだけの人間が残るだろうか?。
ツガイになるかもしれないから最初は殺されず残されるだろうが、ツガイになれば俺や他に選ばれた者たちと同じように人ではない何かに抱かれ身体も心も変えられそのモノの奴隷にされ、選ばれなければ魔人や眷属の餌や玩具や道具として使い潰されるだけ。
ほら……
これでみな平等に……公平に……俺と、俺たち勇者と呼ばれた者たちと同じ奴隷になった。
くふっと耐えられない笑いが口から洩れてしまう。
「……いずれ、自分の選んだものに苦しむ顔が楽しみだ」
ぽつりと首筋に触れた唇から漏れた言葉は俺の耳に届くことはなく。
俺は終わらない快感と、ほの暗い満足感にだけ包まれていた。
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