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第22話 (木×斧)

「それって本気で言ってるのか?」  頭上から聞こえた声にきょとんと視線を向けると、魔王様の私室らしき庭に続く窓から魔王様のツガイの金の髪の青年が私たちを見下ろしていた。  何を言われているのかわからず首を傾げる。 「王のツガイ。私はいつでも私のツガイに笑ってほしいと思っていますよ。初めて愛を確かめた日には笑ってくれたのに、最近は泣いてばかりですから」 「……ぁー本気で言ってる……んだよなぁ」  ひくりと何やら顔を歪ませるようにして窓から見つめてきていた魔の王のツガイがぽつりと零す。  見つけたのも愛し合ったのも私も魔の王も変わらないのに、私の大切なツガイは泣くばかりで、魔の王のツガイは笑ったり、怒ったり、魔の王と長く話しているのだからずるいのではないだろうか? 「魔の王のツガイのようにたくさん笑ってもらって、私を主と呼んで欲しいです」 「ぁ、ひぃ、ぎぃぁ……あかぐぅ」 「本気で話がしたいなら、そのケツに突っ込んだやつ止めるか抜くかしてやれよ」 「それ?」  軽く首を傾げながら泣き続けるツガイへと視線を向ける。 「そいつ……斧の勇者の腹の中でボコボコ動いてるのはあんたの身体の一部だろ?」 「ええ、私のツガイが大好きな私の一部ですよ」 「ぁ、がぁぁぁっ」  ふわりと笑みを浮かべながら私の身体から伸びた蔓で足や腰、太ももを縛り、椅子に座り胸を突き出したよかな恰好で空中に吊り下げていたツガイの身体を魔王様のツガイに見せるように持ち上げた。  人型になった私とは違う日に焼けた濃い肌色を赤く染め、だらだらと身体全体から蜜を滴らせながら大きく開いた足の中心の洞で柔らかく私の一部を包み込んでくれているツガイの姿をうっとりと眺める。  ツガイに初めてあった時は少しでもツガイを感じたくて私のすべてで包み込んでしまっていたが、狭い私の中で包み込んだまま愛し合うとツガイの身体に負担が大きいらしくなかなか欲望の香りを漂わせてはくれなかった。  魔王様のツガイがすぐに甘い香りを漂わせ魔王様を悦ばせているのを見てマネしたのだが、私の中から解放してからは甘い香りを漂わせてくれるようになった。  私の身体の中全てでツガイを感じられないのは物足りないが、私の一部が動く度にびくびくと身体を跳ねさせ、花も咲かせていないのに甘く漂う香りをまとわせている私のツガイを眺めるられるのは悪くはない。

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