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05 簑島渉
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組対の簑島。知る人ぞ知る人物だった。警視庁随一の美形で、女性人気はもちろんダントツ。キャリアで最短最速の23歳で警部になっているので、来年には警視となり、どこぞの所長として最年少の歴史を更新するだろう。学生時代は海外で過ごしており、多言語が堪能だという。関わったすべての事件は根こそぎ解決しており、千里眼だという噂まであった。その働きから公安や厚労省など関係各所にもその名は知れ渡っているという。
そんな男がどうして筒美会で? あれはどういう状況だったのか。抵抗をする様子はなかったので、クスリでも盛られたのだろうと思ったが、意思ということはあるだろうか。画面を睨みつけていたあの目を思い出すと、強烈にムズムズとしてベッドから起き上がった。立ち上がった赤い乳首を思い出して、亀頭に触れる。男に包まれた簑島の股間。あのあとどう扱われたのだろうか。撮られていることを意識させるように、男にこうして責められただろうか。考えながら扱いた。簡単に、イかせてはもらえずもどかしさに喘いだりしたのだろうか。
「……っ……ぅ」
どんな声で鳴くだろうか。あの白い首筋に舌を突き立ててみたい。あの乳首を吸いたい。瞼の裏の画像を動かし、扱く手が早くなる。白く美しいだろう脚が不意に両手を挟んだ。自分を欲しがって、簑島が脚を絡めようとしているようだ。思っただけで達してしまった。
あの美しい身体で、暴力団と交渉をして情報を得ていたのだろうか。しかし、口の端に血がにじんでいた。囚われて暴行を受けた後かもしれない。思えば、手の動きがスローだった。腕を負傷していた可能性もある。そうだ、だから抵抗できなかったということもある。
首に巻き付けられた紐。吉川線。犬のように引っ張られ、後ろから犯されただろうか。全裸の簑島が尻を突き出しているところを想像する。床に膝をついて、想像の簑島に手を伸ばしベッドに手をついた。シーツに埋もれてしまう声を拾うために、紐を引くと同時に簑島に挿入する。きゅっと締め付けられ昇天しそうになる。ガクガクと腰を動かすと簑島の身体もゆれ、いい声を上げる。声を聞こうとさらに紐を引き付けると、挿入を繰り返す箇所がきゅっと締め付けられる。簑島の中で発射されたはずのものが、ベッドの脇に飛び散った。頭を毛布にこすりつけながら、まだ腕の中でほのかな熱をもつ美しい身体に舌を這わせる。引きすぎた紐に手をかけて、息苦しそうに簑島が懇願する。
「お願い、もう……」
血の滲んでいた唇が糸をひく唾液に変わった。トロリとした目でこちらを振り返る。なんて淫靡な顔だろう。それだけでまた右手を動かした。裏筋から血が滲むが腰を揺らしながら激しく擦った。
「すごい……すご…いいよ、いいよ、簑島さん」
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