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第7話

「あっ、あっ……なっ、な……何……?」  洋は、今まで感じたこともないような刺激に、視界をチカチカさせながら本能で状況を把握しようとした。  がしゃがしゃと繋がれた鎖が鳴る。  肌の上を走る京介の手が、気持ちよくて。びりびりとする刺激が体中を駆け巡る。  その度に、叫ぶようにひぃひぃと声が口からこぼれだす。 「あ゛っ、あ゛っ、イッ……ぎぃ、うぅ……」 「はっ、どれだけ出せるんだかな」  京介が触れるたびにイキッぱなしのように、ペニスは勃起したままびくびくと震え、ダラダラ密を溢れさせるように濡らしている。  そんな洋を弄びながら、ローションボトルを手にした京介は洋の中へとそれをぶちまけた。  発熱したように熱い洋との温度差にも洋はあえぎ、腰を震わせる。 「ぎっ、ぁっ……ひぅっ!あ、あぁっ!!」  中に入った京介の指が、動き回るたびに、初めてなのに信じられないぐらいに快楽が生まれた。  締め付けても、緩めても動く指を感じてしまって。  体を動かし、少しでも逃げようと暴れるが、拘束された体では限界がある。  刺激を甘受し、暴力的な快楽を受け入れれば壊れたように繰り返しイク。 「っ、俺にも効いてきたか」  辛うじて見れば、京介の股間も膨らんでいる。  洋に興奮したかと思えば、そうではない。  先ほど飲んでいた薬の影響だろう。  洋はそれを見て、ぼろぼろ涙を流しながらいやだいやだと首を横に振った。 「やっ……いや、いやだ……だめっ!」 「お前に拒否権があると思うな」  冷たい京介の瞳に射抜かれるが、その目が自分を向いている事よりも、暴力的な刺激がこの後どうなるのか、想像もつかないところが怖い。  この後の流れ何て、想像しなくてもわかる。アルファオメガなら……。  でも、アルファとしてオメガを相手にしていたとしても、こちら側じゃない。今の京介のような、組み敷く側だ。  ひたり、と当てられた京介の熱に、体が跳ねる。それを、入れられたらどうなってしまうのか。  ずるり、と中に押し入って来る圧迫感に、自然と息が詰まる。痛みは不思議なことに感じない。京介なら、洋を痛めつけたってよかったのに。  だが、それ以上に苦しい。太さも硬さも熱も、初めての穴は全部拾う。余すところなく広い、快楽へと変換するから、質が悪い。  過ぎた快楽は、時に拷問になる、と言う事か。 「―――っっっ!!!!かはっ、ぁ、ひんぅ……」  衝撃がようやく過ぎ去り、ひぃひぃとようやく息が吸えるようになった。  それまでは、洋の中が締まりすぎていたのか、京介も動くことはなかったが。  機を見計らったように、ズンッ、と一突き、指じゃ届かなかった奥が突かれる。  ガチャガチャとうるさいくらいに手のひらからは傷つけすぎて、血が出ていた。  その痛みでもまぎれないくらい、強い快楽に頭が変になりそうだ。 「きょ、すけ……アァっ!!」 「うる、さいっ」  京介の名前を何度も呼ぶ。何度も呼んで、呼んで、好きだと洋は訴える。  正常な思考をしていれば、好きだなんて一生かかっても言わなかっただろう。  思考が溶けて、何を言っているのかわからなくなっているからこそ、出てくる言葉たち。  それを京介は鼻で笑った。まるで、そんなものに価値などないのだと言わんばかりに。  実際に、価値などないのだろう。洋の思いなど、京介にとっては迷惑以外の何物でもなかった。  がつがつと中を貪られ、胸を弄られ、同時に弄ってほしくないのに、陰茎までいじられてしまえば、イクなと言う方が間違いである。 「―――っ、っ、っ!?!?!?」 「ぅ、くぅっ……」  京介が低く呻き、中に熱い迸りが広がる。  声も出せないくらい、深く、深くイってしまう。  はくはくと空気を求め、口が勝手に動く。  ぼんやりと、意識が落ちる中、ぽつりと洋は一つの言葉を残して、涙を流した。 『……た、すけ、て』

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