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第10話

 「ドアを直せばいいんやろ?」  僕はいった。  とりあえず、角材やら廃材を集めてきた。    ソイツん家の裏にごちゃごちゃ積み上げてあるヤツだ。  それで破ったドアを覆う予定だ。  「じいさんに収集癖があるんや」    アイツは説明した。  ボロボロの自転車とか何台もある。  「役に立つことがあるってな・・・今回は役にたちそうやな」  アイツは大八車も出してきた。   これで廃材のせて山に登ると言う。  えええ!!!!  結構な距離あるで。  「心配すんな、これを引く自転車もあるで」  ソイツが言った。  「誰が引くん?」  僕は一応聞いて見た。  「俺にそんな筋力があると思うんやったらお前はアホや」    ソイツが言った。  そやね。  僕やね。  「塞ぐだけでええん?」  僕は自転車と大八車をつなぎながら聞く。  こんなのあるんや。  自転車の荷台と大八車の引き手を繋ぐアタッチメントに感心しながら、ネジをしめた。  「その前に、あの部屋の中にお帰りいただかないとな。救いがたいほどアホでマヌケなお前らが出したものを。部屋に戻してから塞ぐ」  アイツは言った。  「ソレを部屋にどうやって戻すんだよ・・・」  僕は見当もつかない。  「・・・考えてはいる。説明しても、アホのお前には分からん。その場で説明する」  アイツは言った。  「お前、僕のこと好きなんだよね?さっきから罵られてるみたいなんですけど!」  僕は思わず言う。    アホとかマヌケとか。  あれ、コイツ、真っ赤になった。  「・・・好き、や」  小さく呟いた。  何これ。  メッチャ可愛いんだけど。  朝から、「さっさと起きんかい」蹴られて目覚めて、「飯はしっかり食え!」て怒鳴られながら飯食べて、「さっさとせんと日がくれるぞ、ボケ!」言われながら準備してたんだけど。  ええっ、結構最後は甘い雰囲気になったのにコレは何とか思って、昨夜は夢なのかと思ってたけど。  ・・・やっぱり可愛いやんコイツ。  「急がな!黄昏時までには準備しなあかんねんぞ」  アイツに言われて僕はせっせと準備した。  アイツは僕を見ながら、和紙に書いた何かをリュックに詰めていた。  「何それ?」  「・・・その時になればわかる」  アイツはめんどくさそうに言った。  「・・・しんどかった!!」  僕は叫んだ。  大八車を投げ出す。  やっと、あの廃ホテルの前だ。  朝の8時に家を出たのに、もう昼の2時位か。  山までは自転車で。  山についてからは大八車を引いて上がってきた。  車道を通って来たとはいえ、坂を荷物をひいて上がるのは大変だった。  僕は地面に転がる。  休憩だ。  アイツも地面にへばっていた。  コイツはただ山を登ってきただけでこうなった。  ハイキングで小学生でも昇れる程度の山なのに。  どんだけ体力ないねん  本当に何の役にも立たなかった。  荷物は僕が自分一人で頑張ってここまで上げたのた。  「まずはドアを補修しなあかん・・・」  アイツが言った。  廃材を抱えてホテルに入るんやね。  もちろん僕が。  砕いたドアを廃材を使って補修するんやね。  もちろん僕が。  僕はため息をつく。  いえ、自分の命を救うためです  「俺は頭脳労働しか出来へんのや」  アイツがなんか言う。  まあ、な。  僕はあの細い身体を思った。  肉のない真っ白な身体。  肉体労働できる身体じゃない。  「・・・何考えたんや?」  何故かアイツが赤くなった。  ちょっとだけ、意地悪したくなって、抱き寄せた。  「何や!」  アイツが焦る。 片手で抱きしめながら、Tシャツの下に手を入れてその細い身体を撫でまわした。  アイツは身体を震わせた。    この身体の感度の良さはもう知っている。  「こんな細い身体やもんな・・・」  耳元で囁けば、僕の手に喘ぎながら、バカにされたのだと思って、アイツが泣きそうになる。  「どうせ・・・みっともない身体や・・・」  アイツがつぶやく。  唇が震えてる。  このコンプレックスだらけなのがたまらないのが、コイツ分かってない  乳首を摘まんでやると、声をあげた。  可愛い。   昨日まで真っ白だった身体は、今はあちこちに僕が吸った跡がついているはずた。    僕の跡。僕の印。   「時間ない・・・止めろ」   アイツが言った。    確かに。  震える身体を開放してやる。  その前に、アイツの唇に軽くキスをした。      「・・・なんで、そんなんするの」  アイツが震えながら言った。  コイツは僕の好意なんか認めてないからだ。  「・・・全部終わったら話す」    僕は囁いた。    言ったところで、分からない。  分からせたらなあかん。  僕は決めていた。  アイツは針金を使って、僕らが壊したドアの鍵を開けた。  見事なもんだった。  肉体労働は全く無理だけど、こういうのはさすがだ。  ドアには大きな穴が空いている。  僕らがあけたやつだ。  人一人通れる位の。  それを補修する。  僕はドアに廃材を打ちつけていく。  「でも、これじゃドアに鍵かけれないから、閉じ込めてもカンタンに開くやん」   僕は言う。  「ドアは象徴や。入れて閉じ込める行為にこそ、意味があるんや。人間ひきちぎれるパワーがあるヤツをこんなドア位で閉じ込めておけたことがおかしいやろ」  アイツが言う。  僕達がすることは、ソレをこの部屋にさそいこみ、ドアを閉じる。  「・・・でも、全部終わったら、誰も開けへんようにもう一度このドアを隠さなあかんな。」  ソイツが行った。  だから・・・ドアは壁に隠されていたのかもしれない。  ドアがあれば開けてしまいたくなるから。  僕達のように。  僕がドアを修理している間、ソイツは部屋に入ってなにやら調べ始めた。  「・・・女だ。ここにいたのは」  アイツは言った。  櫛を手にしていた。  そして、ソイツが拾った本はボロボロにはなっているものの、綺麗なお姫さまがかかれた表紙の絵が見えた。  少女むけの小説なことはわかった。  首輪で鎖に繋がれ、檻に閉じ込められていた女性。  今更ながらゾッとした。  その女が僕達を殺しているソレなのだろうか。  

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