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第11話

 黄昏時までここで待つ。  「殺される前に死んだヤツらが、逃げたり叫んだりしているところから、少なくとも殺される前にはお前にはソレが見えるはずや」  アイツは言った。  「でも、お前だけ見えていてもあかん。だからコレを使う」  アイツは薄く切った緑の半透明なゼリーのようなモノをリュックの中から出した。  タッパーに入ったそれを僕は不思議そうに見る。  「何これ?」  僕の質問にアイツはいつものバカにしたような笑みを浮かべて答える。  「何も知らんアホなお前にも分かるように教えたろ、これはサボテンや。サボテン位はわかるやろ?南米の少数民族が儀式の時に食べる。じいさんがこっそり育ててる。じいさんがおらんときは俺が世話してる」  前までならこの話し方とかムカついたかもしれないけど、めちゃくちゃ可愛く泣くのを知っているから、むしろギャップに萌える。   僕、変態になったんかもしれん。  「普通に育てたら単なるサボテンやから、許可を得て輸入できるんやけど、ある一定の条件下で育てると、ある種の作用をこのサボテンは食べた人間にもたらせる」  アイツはニヤリと笑う。  「ある種の作用?」  僕は聞く。  「幻覚作用、て言われてる。麻薬みたいなもんや」  アイツの言葉にポカンとする。    麻薬ってアカンやん。  「人間の脳にはそこを刺激すれば神とかを感じるように思える場所がある。電気で刺激したら、人間は神と会ったように錯覚する場所がある。でも、なんでそんなモノが脳に必要なんや?そう思わんか?必要もないのにそんな場所が脳にあるんか?俺とじいさんは考えた。本当に見る必要がある、人間ではないものを感知する必要があるから、脳にはそんな場所があるのではないかと。おそらく、このサボテンは脳のその場所を覚醒させる」  簡単に言えば。  とポカンとしている僕に、すごくわかりやすく説明してくれた。  「コレ食べたら見えへんはずのそういう不思議なモンが見えるようになるんや」   アイツは言った。  「VS・チャマドランの『脳の中の天使』って本を読んでみ、脳について面白い説明してるから。てか、留年スレスレのお前が本を読むとは思わんけど」  アイツはため息をついた。   ムッとする。  本位・・・読んでないな。  僕は数学以外はダメなのだ。  「ソレが現れたら、お前はこの部屋に入れ、そして檻に逃げろ。俺がソレを引き離すから、お前はその隙に外に出てドアをしめる。それだけや」  アイツは言った。  そのサボテンを食べて、化け物を見えるようにするつもりだ。  どうやって引き離すのかが分からないし、何故檻に僕が逃げるのかが分からない。  「ソレは多分、檻に繋がれてた。ソレにとって檻は部屋以上に自分を閉じ込める場所や。ソレ自身が最も恐れている場所や。入るのを嫌がるし、そこから出たり入ったりは出来ないと信じ込んでいるはずや。お前が檻に入り、檻の扉を締めたらソイツはどうにも出来ないはずや」  よくわかんないけどなんか説得力はある。  「どうやって檻から引き離すん?」  僕の言葉にソイツは答えない。  「言うてもわからん」  とだけしか言わなかった。  まだ夕暮れまでは二時間以上はあるだろう。  僕達はその部屋の前の広間だった場所にならんで座っていた。  アイツの白い首筋が見えた。  思わず手が伸びる。  あかん。  つい触ってまう。  指でなぞったら、びくりと身体を震わすから余計煽られる。  唇も落としてしまう。  「あかん、お前緊迫感なさすぎ・・・」  アイツが押しのけようとする。  「黄昏時までは大丈夫言うたんお前や」  僕は言い返す。  ちょっと触りたい。  ちょっとだけ。  僕は昨日初めて人と肌を合わせたばかりで、その良さを知ったばかりで、正直、めちゃくちゃ盛っていた。  昨日の夜のコイツの可愛さが横におったら思い出されてまうし。  僕はもう自覚してる。  僕はコイツが好きや。  好きなヤツが隣りにおって・・・色々してまいたくなるのはなぁ。  コイツが僕に要求したのがキスだけなのに感心する。  僕なら・・・もっとエロいことを要求したに違いないからだ。  てか、もうしてる。  シャツをめくったら、僕の吸った跡だらけで、白い肌に散るそれがいやらしくてたまらなかった。  乳首にしゃぶりついていた。   アイツが喘いだ。  でも頭を押しのけられて、ムッとした。  「あかん、あかんて・・・」  アイツが抵抗する。  「ちょっと触って出すだけや。気持ちようしたるから大人しくし」  僕はアイツの両腕を片手で掴んで、アイツの抵抗を難なく奪う。  押し倒す。  埃だらけの床だけど構わなかった。  コイツホンマに非力で抵抗なんか可愛すぎた。  ズボンを引きずり下ろせばそこは勃っていて、僕だけやなくソイツも隣りに僕がいることに興奮していたことがわかった。  「お前もしたいんやろ・・・勃ててるやん」  僕は言った。  アイツは顔を赤くして首を振る。  「嫌や、嫌や・・・こんなんは嫌や・・・好かれてへんのにされるんて、後で辛なるって分かったんや」  アイツが泣く。     泣くのは構わなかった。  泣かすのがすっかり気に入っている。   でも、この今泣き方はちょっと違う・・・。  「なんでや、僕が好きなんやろ、僕としたかったんやろ」  僕は腹立たしくなって、ちょっと乱暴にソイツを扱いた。    アイツは声を上げる。     痛いぐらいが好きなん、もう、わかってるんや。  「嫌や!!」  アイツが叫んだ。  ムカついた。  僕を拒否しないでほしかった。  僕の勃起したもんを取り出して、ソイツのにこすりつけた。  アイツがその感触にまた喘ぐ。   「お前や。お前が僕をこんなんにしたんや。僕はもう男で勃つんやで・・・責任とれや」  アイツの抵抗が止んだ。  「・・・ごめん。ごめん」  謝りながら泣く。  いや、ちがう。そういうんやない。  違う。  僕が勃つんはコイツやからや。   コイツが可愛いからや。  それを教えないといけないのに。  でも、ソイツを貪るのをやめられなくて。  抵抗を止めて、ただ泣きながら僕の指や舌を受け入れるソイツを蹂躙した。   こういうのやない。  泣かせたいけどこういうのやない。  でも、触らずにはいられなくて。  ソイツのと僕のを一緒に扱いて・・・達した。  

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