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第16話

 アイツはわからないという顔をした。  僕は屈んでキスをしてやる。  イラついていたが、汚してやる前に優しくもしてやりたいとおもったのだ。  アイツは僕の舌に応えてしまってた。    互いに性的な接触はひさしぶりだけど、その気持ちよさは覚えているのだ。  「アカン・・・やめて」  キスの隙間にアイツが呻いた。  それが本気の懇願なのも分かった。    でも止めない。  僕はキスの後、アイツの口に指を入れてかき回した。  アイツはそれにも呻いた。  「口の中も気持ちええんやろ、ほんならこれ入れたるわ」  僕は顎を掴んで口を開けさせ、アイツの口の中に僕の勃ちあがったモノを押し込んだ。  咬まれるとかそんな心配はいらなかった。  だってコイツは僕か好きだからだ。  だからキスだけでもあんなに感じるくせに!  僕はいきなり強引に喉の奥までつっこんだ。      「ぐえっ」  アイツが呻き声を立てた。  それは単なる苦痛の声だった。  たまらない。  アイツの中に入ってる。  僕のがアイツの喉を犯してる。  強引に頭をおさえつけ、腰を打ちつける。    ゲホッ、グェッ    快楽ではない声や音をアイツが零すのを楽しんだ。 自分に嫌悪した。       こんなことでアイツに復讐している。   自分の気持ちをわかってくれないことに当たり散らしてる。  でも、どうしようもなく気持ちよかった。  暖かくて。  喉の奥は締まった。  めちゃくちゃ気持ち良かった。  そして、苦しみ、涙を流し、顔を歪めるアイツが可愛くて、いやらしかった。  喉の一番奥で放った。    やっとソイツの口から引き抜いた。  アイツはえづいた。  口をおさえつけ、言った。  「・・・飲んで」  してることはひどいことだったけど、声は自分でも驚く位優しかった。  アイツの喉が動いてそれ飲み干すのか、たまらなかった。  めちゃくちゃ興奮した。  口を放してやった。  アイツは苦しげにムセた。  えづいた。  息もマトモに出来なかったのだろう、身体を震わせて息をしていた。     「・・・何で、こんなこと」  わからないアイツが何か言い始めた。  「もう、黙り・・・ホンマ黙り・・・喋る度に酷いことしたなるから」  僕は言った。  酷いことをしていくつもりだった。  僕は玄関にアイツを押し倒し、アイツの服を剥ぎ取って行く。  「止めてや、お願いや・・・」  アイツは必死で抵抗するから余計に腹が立った。  「見いひんといて・・・お願いや!」   アイツはシャツを脱がされまいと必死で抑える。  脱がすなじゃなくて・・・見るな?  僕は不思議に思ったが、やめてやる気はなかった。  シャツを引き裂いた。   白い身体が現れる。  僕が触った、僕が舐めた、僕だけが愛した身体だ。   それでもアイツは必死で中身のない左袖を押さえていた。  僕はそれを引き抜いた。  「見るな・・・!」  アイツが絶望したように叫んだ。  僕は理解した。  コイツは片腕を失った身体を僕に見せたくなかったのだ。  「見んといて・・・」  アイツは涙を流した。  「ただでさえ、みっともないのに・・・。ホンマに嫌われる・・・もういくら何でもこれやったら勃てへんやろ・・・」  アイツは無理やり喉に突っ込んだ時よりも苦しそうな顔をした。  アホやろコイツ。  僕が、引く思ってたんか。  腕がないから?  アホやろコイツ。  怒りで勃った。  ガチガチになった。  「勃ってるわ、アホ!」   僕はまだ脱がしてないアイツのズボンの上から僕のモノをグリグリと押し付けた。  アイツは信じられないと言った顔をした。   僕はアイツの、左腕、肘までになってしまったところに口付けた。  何度も何度も。   僕のせい。  僕の。   罪悪感と、そこまで愛されていると言う黒い満足感。  そこを舐めるだけでたまらなくなっていく。  僕のモノは痛い位立ち上がり、ダラダラと汁を流している。  「アカン、もう我慢出来へん、また口につっこまれるのと、手でするんどっちがいい?」  僕はアイツに言った。  放してやる選択肢はない。  本当はアイツの後ろにぶち込みたかった。  でも、さすがにいきなりしてはいけないと理解していた。  めちゃくちゃ調べたから。  男同士のセックス。  アイツは僕の身体の下になったまま、僕のを扱いている。  口は嫌だったらしい。  酷いことをしたから当然だと思った。  コイツ、ホンマに扱くん上手い・・・。  何度となく声が出てしまった。  僕はソイツにしごかせながら、放り出していたリュックを引き寄せた。  リュックからそれを取り出す。  ローションだ。  今日するつもりだった最後まで。  入院中我慢していた。  ずっと我慢していた。  男同士のセックスの仕方、めちゃくちゃ調べてこんなもんまで用意して、とうとう今日こそはと浮かれていた。  お互いに好き同士なのだ。  当然だと思ってた。    今日は泊まってくると親にも言ってコイツのところに来たら、「もう来んな」って・・・何やねん。  でも、コイツの手は気持ち良い。  その手は僕を気持ち良くしようと動いているのがわかる。  呻く。  ホンマ上手い。  キスしようとしたら顔を背けられた。  何でや。  無理やり色々してるクセに僕はむかつく。  「お前僕のこと好きなくせに!!」  僕は怒鳴った。  「・・・好きちゃう」  アイツがまた泣いた。  そんなことを言うくせに、アイツの手はヤらしくて、優しくて、僕は声をあげてイった。  「腹立つわ!」  僕は怒鳴った。  好きじゃないと言われて頭にきた。  僕はアイツの身体をひっくり返した。  腰を抱えて、ズボンと下着を引きずりおろす。  やはりアイツはガチガチに勃ててた。  「お前は嫌いな男に喉でされて、ソイツのんを手でしごかされて勃つくんか。どんだけ変態やねん。僕はまだ何も気持ちええことしてやってへんぞ!」   アイツの髪を掴んで顔をひきよせながら、怒鳴った。  僕は勃ってるそれを掴んでしごいてやった。  アイツは泣きながら声を上げた。  ガチガチだし、汁出してるし、めちゃくちゃしたがってるやんか。  目の前にある肉のない真っ白な尻に頭がおかしくなりそうだった。  噛んだ。  アイツは声を上げた。  その尻を割り、その穴を確認する。  ここに入れる。  そこはピンクでキレイだと思った。  ソイツのをしごきながらその穴をなでた。  「やめてくれ・・・そこはやめてや、お願いや・・・やめて」  アイツがまた泣く。  「止めるわけないやろ!」  僕は怒鳴った。  何で、何で、そんなに僕を嫌がるんや。  好きなんちゃうんか。   僕はローションをそこにぶっかけた。  乱暴に指を押し入れた。  熱い。  中って熱い。  僕は興奮した。  アイツか喘いだ。  乱暴にかき混ぜる。  痛いのかアイツが呻いた。  「・・・痛いんか」  慌てて、僕は優しく動かす。  前を扱きながら。   確かめるように動かしていく。  アイツは喘ぎ続けている。  気持ち良くしてやりたかった。  こんなになってしまっても。

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