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オマケ 強情

 「服を自分で全部脱いで」  僕は命令する。  アイツの顔が歪む。  怯えたように。   二人でいれば、僕が突然そういうモードに入ってしまうこともある。  そうなれば、酷いことが始まるのをコイツは知っているのだ。  「脱いで」  僕はキスの距離まで顔を近づけ、でもキスはせずに言った。  「お願い」する。  このお願いにアイツは逆らえない。  顔にかかった長い前髪の向こうに、コイツの怖がっている目が見えて、興奮した。  コイツの家で、勉強していたのだけど、もう、ちょっと、コイツとしたくなってしまったのだ。  エロいことを。  怯える目を見つめて、微笑み続けるだけでいい。  「・・・うっ」   コイツの顔かクシャリと歪んで、泣き始めた。  服に手をかけていた。  脱ぐために。    怖いね。  今日は何されるんやろうね、  僕は心の中でそう話かけながら、その顔に欲情する。  コイツは服を脱いでいく。  片手がないからもどかしいけれど、それでも手伝わない。  もう、僕の要求は分かっているので、下着も全て脱ぐ。  そして、困ったように立ち尽くした。    コイツは自分の身体を見られるのが嫌いだ。  細くて肉のない身体にコンプレックスを持っている。  その上、僕の為に腕を失ってからは、そこを見られるのを嫌がる。  僕は失ったそこに愛しか感じなくて、たまらなくなるだけで。  それは何度となく言ってるのだけど。  それでもコイツは嫌がる。  左手を無くしても平然と暮らしているコイツが、僕にそこを見られることだけは嫌がる。    「来て」  言えば、全裸のまま僕の前に立つ。  僕はその姿を床に座ったままじっくり眺め、楽しむ。  見られるだけで、本気で泣く彼が可愛くて。  抱く時に明かりを消してやったことなど一度もない。  「おいで」  両腕を広げてたら、震えながらも、この腕の中に入ってくる。  たまらない。   僕が服を着たままなのは基本だ。  優しく甘やかす最後までは、いつも服は脱がない。  その方が支配欲を満足させられる。    どうせ僕は変態なのだ。  失った左手の縫い合わされた傷痕に何度も何度もキスをする。  唇にキスさえしない日もある。  つい酷いことに夢中で。  でもこれだけは絶対にする。  失った左手は愛だ。  コイツの僕への愛だ。  手どころか、命までくれようとした、コイツの僕への愛だ。  愛しくて、愛しくてたまらないから。  これだけは本当に伝わって欲しい。  「・・・」  アイツは恥ずかしそうに、僕の胸にもたれる。  可愛い。   可愛い。    だから、酷いことがしたくなる。  コイツ、なんで僕なんか好きなんやろ。  それは・・・ホンマに思う。    さて、可愛い。  可愛い。  虐めたい。  僕はコイツの耳元に囁いた。  「這いつくばって、僕の足を舐めて」    困惑した目が僕を見た。  僕は優しく微笑んだ。  僕は変態や。  どうせ。

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