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第11話
離れないで。
離れないで。
そう思ってしまう。
自分が独り占めしちゃいけないと思ったのに、独り占めしたい。
幼なじみが欲しい。
そのためには。
怖くても、怖くても。
耐える。
ぐちゅぐちゅ
舐める音。
吸われ、すすられ、中まで舐められる。
熱くて怖い穴に飲み込まれる。
すっと落ちていくような快感にとらわれる。
貪られ、喰われるような快楽に翻弄される。
「ああっ・・・いやぁっ」
叫び続ける。
でも止めてとは言わない。
また勃起した性器が辛い。
ここにさわれば楽になる・・・。
無意識に前に伸ばした指を止められた。
「ダメ。ここだけで気持ち良くなることを覚えて。これからは僕とここを使うんだから」
幼なじみは怖いこと言った。
すっかり緩んだそこに指を入れられ、彼は震えた。
舌より明確なその感覚はまた違う怖さがあった。
「ここに僕のを挿れる。無理はしないから。ゆっくり気持ち良くなろうね。今日はもう舌だけにしとくね」
指優しく中をかき回しただけで、ゆっくりと抜かれた。
そして舌がまた、そこを執拗に愛していく。
怖い。
でもその舌には執拗さと同じくらい優しさがあった。
怖い。
でも、酷いのに優しい。
優しい。
甘く舌に灼かれる
濡らされ、なぞられ、刺され、味わわれた。
生きながら灼かれ、叫ばされ、甘やかされた
舌たけで達した時、彼はとうとう意識をうしなった。
限界だった。
気絶した彼の身体を使った。
幼なじみは彼の尻に自分のモノを挟みこみ、そこで擦って達した。
まだ、挿れたりはしない。
まだ、今は。
自分の精液に汚れた姿を楽しむ。
なんてかわいい。
気絶しているからこそ、気にせず強く抱きしめた。
触られるのが苦手だからこそ、誰よりも感じる彼が可愛くて仕方ないけれど、こうやって遠慮なく抱きしめられるなら、気絶するまでやるのもいい。
本当は中に入りたいし、口にいれたい。
でも、まだダメ。
急いだらダメだ。
ふたりとも親が不在なのはちょうどいい。
誰にも邪魔の入らない3日間。
とことん彼の身体を開いていくつもりだ。
最後までしたい。
そのために部活も休みにしてある。
彼の母親にも自分の家に泊めることは伝えてある。
こうすることは、もう随分前からきめていた。
彼は知らなかっただろうけど。
幼なじみは彼を抱きしめ、気絶しているのをいいことに、撫で回し、キスをあちこちに落とす。
それでも我慢する。
快楽で目が覚めるまで、前を咥えて可愛がってやりたいとか、色々したいことはあるけれど、キスだけで我慢する。
ずっと我慢してきた。
こんなこと何でもない。
髪をなでることさえ耐えたのだ。
今は髪を撫でるどころか、身体中にキスして、抱きしめられる。
またキスを身体中に落とす。
「やっとだ・・・・・・」
呻いた。
長かった。
「僕のだ。僕だけの」
抱きしめ、頬摺りする。
可愛い可愛い彼。
やっとこの手の中に落ちてきた。
「思う通りには動いてくれないんだもの」
溜息をつく。
諦めるために「嫌い」と言えには驚かされた。
「好き。行かないで」と言わせるためにしたことが、違う方向に向かっていて、さすがに焦った。
でも、いい。
彼が自分を好きなことを自覚して、自分を離したくないと思ったのだからそれでいい。
この何週間か、泣きそうになりながら自分を見ている彼を考えると、嬉しくて仕方なかった。
自分を取り囲む人間達の、心地良さげな言葉などくだらなかった。
傷ついたような彼の目に見つめられることはたまらない快楽だった。
僕を欲しがっている。
幼なじみはそう思えるだけで興奮した。
毎晩あの目を思うだけでイケた。
彼の知らないところで遊んできた連中の身体より、彼の視線の方がイかせてくれた。
だから、焦った。
いくら待っても「好き、そばにいて」と言わないから。
とうとう自分から「聞きたかったら、部屋に来て」と誘わなければならなかったのは、結構ショックだった。
でも、今日確信した。
こんなにも愛されている。
怖がりながら、怯えながら、彼はその身体を任せてくれた。
快楽には怯えるだろうけど、自分に触れられるのが嫌じゃないことは分かっていた。
そうしたのは自分だから。
快楽や接触に怯え切るのもわかっていた。
そうなるように誘導したのは自分だから。
気をつけないと。
快楽や接触には慣らしても、自分以外とはしようとも思わないようにしなければ。
だからこそ、全ての接触は彼の許可をとる。
彼の望まないことは絶好にしない人間は、自分だけであることを教え込まないと。
時間をかけた。
だから、絶対に手放せない。
幼なじみは微笑む。
可愛い可愛い彼。
可哀想な彼。
僕は君を閉じ込めた。
僕の作った鳥籠に。
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