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ピュア 第6話
今度は当たった。
反対側も殴った。
これも当たった。
そして平手で何発か殴った後、ソイツを踏みつけてオレは準備室を出て行った。
ふざけんな。
名前も知らないのに何でキスされるんだ!!
順番が違う、いや、そういう問題じゃない。
名前を聞くのに何でキスなんかするんだ!!
このガキふざけすぎ!!
オレは鍵を解除して外へでて、思い切りドアをたたきつけた。
だが準備室から出てきたものの、オレは困ってしまった。
オレのアソコは思い切り勃起していたのだ。
いくらオレが童貞だからって、キス位で・・・しかも男相手、しかもゴリラだぞ。
これで職員室に行くわけには・・・オレは誰もいない廊下を見回し、慌てて職員用トイレに駆け込んだ。
収まるまで、ここにいよう。
オレは個室に入りトイレの蓋の上に腰かけた。
おさまれ、オレの息子。
あんなゴリラみたいなヤツ相手に反応してんじゃねーよ。
とうせなら、可愛い、ちょっと年下の・・・出来ればオレみたいに経験のない子がいいです。
でなくても、なんか清純そうな子。
オレ、大事にしますから、どうかそんな女の子との出会いたいです。
てか、今なら理想じゃなくてもいいです。
性格さえよければ、誰でもいいです。
女の子がいいです。
絶対いいです。
あんなゴリラに勃起させられるなんて。
でも、あのキス・・・すごかった。
まるで、フェラされてるみたいに下半身にキた。
されたことないけど。
ゾクッとした。
おさまるのを待つはずだったのに、また熱がたまる。
ダメだと思うのに、オレはズボンと下着を下ろし、扱きはじめてしまった。
・・・ガッチガチに勃ってて、先から濡れてた。
されたキスの舌の感覚が思い出された。
オレの舌を舐める強靭な太い舌。
いや、そこは可愛い女の子の舌にしようよ。
いや、でもオレ女の子の舌なんか知らないし。
舌を絡められ、吸われる甘さをオレは初めて知った。
厚い唇。
大きな口。
いや、ここも女の子の唇にかえようよ。
でも知らないし。
生まれて初めての濃いキスの感覚に引きずられていた。
自分で噛んだ舌の痛みさえ甘かった。
扱く。
性器を扱く。
気持ちいい。
ガキの時みたいに声だしちゃいそう。
声を殺す。
舌の動き、唇。
真っ黒な目。
ダメだ、女の子に変換しないと。
いや、もういい。
イク時だけ可愛いエロい女の子なしよう。
キスされたばかりでおかしくなってんだ。
オレはそういうことにした。
オレは自慰に溺れていた。
その時だった。
「先生いるんだろ」
重低音の声が響いた。
忘れることなど出来ない声だ。
でも大丈夫。
ドア閉まってるし、黙っていればすぐに出て行くはずだ。
オレは今、この世界でいちばん無防備な姿なのだ。
職場のトイレで勃起した性器を握って座っているんだからな。
「先生」
ドアの前から呼びかけられる。
こたえてやる義理もない。
むしろ、これから警察に連絡してもいいんだぞ、なのにコイツ何してんの?
「先生だろ、ここにいるの」
低い声は良く響くので大きくなくても届く。
オレは無視する。
さっさと出ていけ。
オレは可愛い女の子を思い浮かべてオナニーするんだ。
邪魔すんな。
「先生、開けて。話しがしたい」
使用中のトイレ開けるわけないだろ、馬鹿が。
オレは無視した。
当然だ。
「そう・・・」
しばらくアイツは黙った。
いなくなるか?
その次にしたのは、ベキッと言う音だった。
オレの目の前でドアが凹んでいた。
ボッコリと。
アイツが蹴って凹ませたのだ。
嘘。
そこそこ厚みのあるドアだぞ。
グカッ
またドアか目の前で変形する。
嘘でしょ。
オレは戦慄した。
このドア樹脂製だから変形してるけど、木製だったらとっくに破れてる。
グカッ
ベキッ
オレの目の前でトイレのドアはどんどん変形していく。
グカッ!!
信じられないことに、ドアを脚が樹脂のドアを突き破った。
開いた穴から、真っ黒な目が見えた。
「やっぱり先生いたな」
低音が響き、腕が穴から出てきて内側からトイレの鍵を解除した。
ドアはゆっくりと開いてしまった。
オレは・・・・・性器を握ったまま、真っ青になった。
こんなの、嘘だろ。
「先生、話がしたいんだ」
アイツは言った。
その超低音の声には、焦りというか必死な少年らしさがある。
でも開いたドアの向こうからこちらを見下ろす真っ黒な目には何の感情も見えないのだ。
口もとを歪めた無表情な顔。
いや、笑おうとしているのは分かったけど!!
笑う方が怖いから、めちゃくちゃ怖いから!!
オレは勃起した性器を握ったまま、信じられない思いでアイツを見つめた。
いろんな意味で信じられないコイツ。
何でいきなりあんな真似してきたのも分かんない。
何で使用中のトイレのドアを開けてでもオレを探してんのかもわからない。
何ドアを蹴破ることが出来るのかもわかんない。
「先生・・・オレは・・・」
言いかけて、アイツはオレが何をしてたのか気付いたらしい。
オレの性器をガン見する。
「やっぱり・・・先生も気持ち良かったんだろ。職員室に行ってもいないから、さがしてたらこんなとこで先生・・・オレのキスで勃っちゃつたんだ?」
無表情な顔で言われる。
オレは真っ赤になる。
いや、違う。
これはキスに慣れてないから、てか、初めてされたから、なんて絶対に言わない。
「・・・先生真っ赤だな」
また簡単にオレの首筋を撫でられる。
個室に踏み込みその手が伸ばされるのが、わかるのに、何故だか反応がまにあわない。
アイツの指がおもいもよらない優しさで動いた。
優しく優しく首筋を撫でられ、何故か性器からとろりと零れた。
何でだよ!!
何で気持ちいいんだよ!!
「首まで真っ赤だ。・・・可愛い」
優しい低い声。
アイツは笑っていた。
本当に。
少年の笑顔で。
笑うと整ってはいても恐ろしい印象しか与えない顔がガラリと変わる。
無邪気な子供の笑顔なのだ。
「先生・・・それじゃ辛いだろ?オレが手伝ってやる」
アイツが言った。
手伝うって。
何、何すんのお前。
「オレのせいだろ?・・・責任とるから」
アイツが耳元に唇を寄せて囁いた。
熱い息と、低い声に、またオレの性器が震えてこぼしてしまう。
「あっ・・・」
オレはそれだけで思わず声をあげてしまったのだ。
どうして。
どうして。
どうして。
「大丈夫。手伝うだけだから」
声だけは優しかった。
信じられねぇ。
オレは必死で声を殺す。
両手で口を抑える。
それでも声が漏れてしまう。
「んっ・・・ん・・・」
オレは耐える。
トイレに腰掛けたオレの股間に男の顔があった。
オレの勃起したそれを、アイツが舐めているのだ。
先端を舐められ、穴を舌先でつつかれた。
「うっ」
オレは思わず身を捩る。
「先生、声出しても大丈夫だぞ。誰も来ない。オレが先生を追いかけて入ったのをみんな知っているんだ、誰もここに近付かないし、何も聞かないし見ない」
アイツが言った。
それ、どういう意味?
でも、確かにドアを破壊する派手な音にも誰もこなかった。
オレは、見捨てられたのだ。
「何があっても放っておくこと」
アイツへの忠告を思い出した。
オレがその忠告を破ってしまった以上、もう誰もオレを助けたりしないってことか。
「・・・・・手伝ってるだけだ。怖がらないでくれ」
アイツはそういってねっとりと裏筋をなめあげた。
「んっ!!」
オレはもう出したくてたまらない。
舌でここを舐められるのがこんなに気持ちいいなんて。
自分の手でするのとは段違いだ。
コイツの舌がどんなモノなのかは口の中で散々思い知らされていた。
めちゃくちゃ・・・気持ちいい。
やらしい。
嫌だ・・・やめて・・・。
大きな舌で先端から根本まで舐められることがこんなに気持ちいいなんて。
舌はオレの性器の表面を生き物のように蠢いた。
強く、弱く舐められる。
敏感な先端の穴広げるかのようにつつかれるのは怖い位気持ちが良かった。
「ううっ」
歯を食いしばり、うめき声をこぼす。
「気持ち良くしたいだけだ。怖がるな」
アイツの声はどこまでも優しい。
優しくむき出しの脚をなでられ、太股を吸い上げられた。
「・・・はぁっ」
涎と吐息が抑えた口の端から零れる。
「エロい、可愛い。先生」
また場違いなほどに輝く笑顔で笑われた。
何なのお前!!
咥えられた。
「嘘、やめ・・はぁっ・・・でちゃうからやめ・・・」
オレの言葉は全く聞いてもらえなかった。
てかコイツと言葉が通じてるとは思えない。
コイツわけわかんない・・・。
音を立てて吸い上げられ、頭が真っ白になった。
口全部を使って扱かれ、吸い上げられ、扱かれた。
「ひっ」
呼気しか出ない。
頭が動いている、オレの脚の間で、男の頭が、男の大きな口がオレのを咥えて、吸って、唇で扱いて・・・。
「出るから・・・やめろ・・・やめ」
オレは必死でアイツの顔を引き離そうとしたんだ、したのに。
「やぁっっ!!」
下半身が融けたのかとおもった。
オレはアイツの口の中に思い切り放ってしまっていた。
嘘だ。
嘘だろ?
でもあまりの気持ち良さにアイツの頭を思い切り掴んでしまっていた。
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