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告白までの距離 第13話
「でも、ちゃんとお礼がしたい。だから言って僕に出来ることなら何でもするから」
彼は言った。
「キスさせてくれるかもよ」マチルダの言葉を、思い出した。
いや、ダメだ。
そんなこと頼めない。
「言って」
彼に間近から見つめられる。
ドキドキして頭が回らなくなる。
「じゃあ・・・じゃあ・・・」
何を言ってるのかわからない。
「おかずにしたいからチンポ見せて」
何言ってるのかはよくわからなかった。
バチン
音を立てて、頬が鳴った。
「変態!!」
彼が怒鳴った。
オレはひりつく頬を抑えて自分が何を言ったのかやっと理解した。
「いや、違う!!」
怒って出て行こうとする彼を追いかけるためにベッドから飛び出す。
追いかけて、謝って・・・もう一度話をするために。
そんなことはしたことがなかった。
したことはないけど、そうせずにはいられなかった。
もう見ているだけの恋は止めたのだ。
「呆れた。まさか本当に言うなんて」
マチルダの声がした気がした。
マチルダ、オレは彼が知りたい。
本当に知りたい。
好きだとちゃんと言えるまではまだ距離はありそうだ。
でも、ふられるにしても、彼をちゃんと知りたい。
オレ、やってみるよ。
オレは彼を追いかける。
見るだけではなく、追いかける。
END
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