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モンスター~ピュア 第2話

 「なあ、いいだろ?オレのはもっと気持ちいいぜ」  耳朶を齧られながら、長い指が大きくスライドしながら中を擦る。  「ふうっ・・・はぁっ・・・やぁっ」  背中をそらしながらアイツの身体を掴むように爪を立てる。  わけがわかんなくなる。  頭がぼんやりしてしまう。  指に合わせて腰が揺れていた。  「可愛い反応するなぁ・・・たまんねぇ。・・・なっ?」  囁かれる声は熱っぽい。  よじる身体を笑いながら抱き寄せられる。  「可愛い。本当可愛い」  ベッドに仰向けのままのしかけられた。  ガチャガチャ  音がしてソイツがベルトをはずし、下だけは履いてなかったズボンをずり下ろすのをぼんやりみていた。    そして・・・巨大な、巨大な、巨大な!!!  オレはソレを見た瞬間、正気に帰った。  声の限りに悲鳴をあげた。  それを初めて見せられた時と同じ反応だった。  「・・・・・・傷つくぜ。もう何回も見てるだろ?いくら先生がウブでもいい加減馴れてもいいだろ?」  アイツが憮然とそれをそそり立てたまま言う。  でかめのバイブとやらとは比べものにならない。  こんなんおかしい。  こんなん杭だろ。  こんなもん絶対に無理!!  物理的な恐怖にオレは泣き叫ぶ。  死ぬ。  死ぬ!!  確実に死ぬ!!  「大丈夫だって・・・オレはちゃんと手順踏んで二週間も手間暇かけてあげただろ?」  アイツは苦しげに脈打つそれを片手で扱きながら言う。    凶器が狂気のように脈打っていた。   こんなん恐怖だ。  オレは目を見開く。  アイツのデカい手でもそれは明らかにでかい。  「いい加減、玩具より本物が欲しいだろ?」  脚を思い切り広げられた。    ゴリッ  入り口をそれで擦られた。  硬くて・・・怖かった。  「無理!!無理だ!!死ぬ!!嫌だぁ!!」  オレは泣き叫んだ。  純粋な恐怖だった。  杭を見せられ、これでお前を串差しにしますって言われて平気なヤツなどいないって!!  「・・・」  アイツは困ったような顔、をしたのだとおもう。    笑っている時以外は、なまじ整っているからこそ、凄みのある凶暴な殺人者にしかみえないのだ、コイツは。  「マジかよ・・・」  殺しそうな顔で呻かれた。  歯を剥き、眉が歪められ、息が荒げられ・・・オレは貫かれ殺されることを覚悟した。   「先生・・・」  つらそうに囁かれ、唇が塞がれた。  優しいキスだ。  宥めるような。  唇を吸われ、優しく舌をなめられ、吸われる。  「あんたが嫌なら・・・しない」  ため息混じりに言われた。  オレは怖くて・・・思わず泣いてしまっていた。  いや、この恐怖は、この恐怖は実感しないとわからないぞ!!  串刺しだぞ?   処刑だぞ?  生きて終わるとも思えないんだぞ?  オレはホッとして吐息をついた。     「じゃあ、口で・・・」  アイツがふざけたことを言ったのだ頬を殴る。  「いてぇな。オレはあんたのを舐めて飲んでやってるじゃないか。毎日」  アイツは膨れながらいう。  頼んでない。   一度だって頼んでない。  大体、最初の一回しか部屋に上げた覚えもない。    鍵も渡してないのに、鍵を付け替えても、なんでお前入ってこれんの?   当たり前にドアから!!  毎日毎日毎日。    「朝から・・・何なんだよ、お前」  オレは昨夜散々泣かされて、コイツをやっとのことで追い出し、朝おきたらまたコレなのだ。  「だって、先生、今日は予備校講師も休みだし、書く方の仕事もキャンセルになって休みなんだろ」  アイツがオレの身体を軽々とうつ伏せにしながら言う。  なんでコイツオレのスケジュールまでしってんの?  コイツなんなの?  その質問ならもうした。  「オレの家はヤクザよりヤバい。先生がオレと正式に付き合うまでは知らない方が先生のためだ」  アイツの答えはソレだった。  それは多分嘘じゃない。  アイツと出会ってしまった2日しか勤めていなかった高校で、コイツは何をしても誰にも咎められることはなかった。  例え犯罪を犯していたとしても、だ。  オレはもう質問しないと決めた。  コイツと早く縁が切りたいからだ          「先生・・・」  背中にキスを落とされ、尻にゴリゴリと堅い凶器が当てられ、オレは泣き喚く。  「嫌だ!!」  死ぬ。  殺される!!  「しねぇよ。脚借りるだけだ。オレは先生には優しいからな。・・・嫌がることしねぇ」  腰をもちあげられ、脚の間に凶器を挟まれた。  何度もされてるから知ってる。    素股だ。    「嫌がることばっかしてる!!」  オレは抗議する。  「してねぇ。気持ち良くなってもっとして、って言うことしかしてねぇ」  アイツに断言された。  「ううっ・・・」  オレは泣く。  いや、確かにそう言わされた。  言ってしまったけれど。  「先生が嫌なことはしねぇ。ちゃんと先生が自分から脚開いて挿れて下さいって言うまでまで待つ」  脚の間をぶっとい熱い、硬いもので擦られていく。  尻の間を擦られ、オレのガチガチのそれをも、その凶悪なヤツは擦っていく。  言わない。  そんなこと絶対言わない。  オレはそう叫びたい。    ゴリゴリとアイツのとオレのが擦りあう。  「ああっ・・・」  オレは喘ぎ背中を反らした。  コレはコレで気持ちいいのだ。  「先生だったら素股なんかでも気持ちいい。やっぱり・・・愛があると違うなぁ」  気持ち良さそうな吐息を吐きながら頭のおかしいガキが言う。  愛などない。  これっぽっちもない。  でも、気持ちいい。  「先生の中はすげぇ気持ちいいだろうな・・・」  残念そうな気持ちを隠そうともしないでアイツは行った。  入らない。    絶対あんなの入らないから。  オレは震える。  でもそれは擦られる気持ち良さに変わる。  「気持ちいいか?」  甘く囁かれる。     胸の粒を摘ままれ潰され、オレは声を上げる。  痛い・・・のに気持ちいい。    首筋を甘く噛まれる痛み、吸われる感触。  甘く喰われる感覚と、凶器の熱に擦られる感覚に恍惚になる。  ダメだ。  こんなのダメだ。  女の子とセックス出来なくなっちゃう・・・そんなのダメだ。  「気持ちいいか?」  優しくくそガキの、変態の、狂ったバカが囁く。  それは本当に優しい声で。  「オレはあんたがいい、あんたしかいらない」  本気で言ってるんだとわかる声が、身体の芯をとかす。  「あんただけだ」  愛しげに喉を撫でられた。  「気持ち、い」  オレはまた言ってしまった。  言ってしまったのだ。  嬉しそうにアイツが笑う声がした。  後ろからされてるから顔はみえないけど、アイツの笑い顔はもうわかってた。  見えなくてよかった。  見たなら、見惚れてしまうのがもうわかっていたから。  擦られる。  熱くて硬くて。  そして、オレを欲しくてたまらないと伝えてくる腕にあやさされ、その唇にあまやかされる。  オレがイき、アイツがイくまでそれは続けられた。            

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