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第7話・オレ、貴方のためなら命なんていらないんだ。(前編)

 ☆  ある日の昼下がり。  オレは三毛(みけ)といつものように縁側でひなたぼっこをしていた。  (りゅう)サンと仙蔵(せんぞう)さんが仕事でいない間、こうしてオレたちは集まるんだ。 「ねぇ、茶虎(ちゃとら)。最近どうしたの?」  突然尋ねられたオレは口から心臓が飛び出すかと思った。 「えっ? 何が?」  ドキン、ドキン。  心臓が大きく鼓動するのは――図星だから。 「なんかすごく綺麗になった気がする……」 「そう、かな?」 「うん」  綺麗なのかは別として、オレの身体はここへ来た当初とは違ってきていた。  三毛の言う、“いつもと違ってきている“のはきっと朝晩問わず仙蔵さんに抱かれてるからだ。  胸にある突起は骨張った指に弄られてツンと尖ってきてるし、一物を受け入れる後孔はすっかり形を覚えてしまった。中で果てることさえも知った。  ――だけどそんなことは言えないオレは、もう一度そうかな、って言ってしらばっくれた。 「あの、茶虎さん。少しいいですかい?」  この人はオレのことを色々世話してくれる人だ。  名前はたしか、稲坂(いねざか)さんだったかな。  三毛とひなたぼっこ中に突然声がして見上げると、そこに細身の彼がいた。 「なに?」 「組長がお話しがあるそうで。今から裏にある倉庫に来て欲しいとの言伝なんですが――」 「――わかった。支度する」  何故、ここじゃなくて倉庫なのかは、なんとなくわかる。  仙蔵さんはきっと、この身体に飽きたんだろう。  この関係が終わるんだ。  オレ、捨てられるんだ……。 「茶虎?」 「なんでもない、三毛また後でな」  心配そうに顔を覗き込む三毛に、オレはニカっと白い歯を見せて笑った。 ☆第7話・オレ、貴方のためなら命なんていらないんだ。(前編)/完☆

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