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第9話・目指せ、オレの最強計画!
☆
「さあ来い!」
「あにさん、もう勘弁じでぐだぜぇ」
「まだまだ」
ある日の昼下がり。
銃弾を受けた傷はすっかり癒えた。
で、何をしてるかって?
オレは今、広い庭で龍虎組 の奴らと稽古してるんだ。
仙蔵 さんの側にいるためには弱いままじゃだめだって思い知った。
もう二度と仙蔵さんを危険な目に遭わせないために。
如いては仙蔵さんを守れるくらい。
もっと……。
もっと強くなるんだ!
シュッ、シュッ!
オレは空気を切り裂くようにして何度も蹴り上げる。
「騒がしい。何してやがる!」
そうこうしていると、この喧噪に気が付いたみたい。
仙蔵さんがやって来た。
ああ、やっぱり仙蔵さんは格好いい。
前髪を後ろに撫でつけ、腕を組む姿が凛々しい。
「ぐみぢょ~!!」
「なんだ、そろいも揃ってだらしねぇ面しやがって!」
「――――」
う~ん。
だらしないっていうのは……
たしかにそうかも。
涙とか鼻水とかよだれとか。
いろんな水を垂れ流して仙蔵さんに縋りつく龍虎組の部下たち。
なんかオレ、みんなに悪いことしちまったかな~。
なんて思うけど、いや、別にオレは悪くねぇし!!
と自分に言い聞かせ、腰に両手を当てて仁王立ちする。
「あにさんが、容赦ねぇんです」
「茶虎 ……お前は何をしてるんだ」
なにって。
んなの決まってる!
「強くなるために特訓してもらってるんじゃん!」
「茶虎、勘弁してやれ。こいつらじゃあお前の役不足だ」
「だけどっ! オレもっと強くなりたい!!」
それで仙蔵さんを助けるんだ!
「だったら俺が相手してやろう」
「えっ?」
思いもしなかった挙手にオレは口をあんぐりさせた。
「おいで」
言うが早いか、オレの身体がひょいと宙に浮く。
お姫様だっこされたんだ。
「あ、あの。仙蔵さんっ!?」
稽古ならここでいいじゃん!
それにこのお姫様抱っこは何か違う気がする。
そう思って見上げれば、オレを見る仙蔵さんの目。
まるで獲物を見るようだった。
この目は知ってる。
オレを欲しがる時の目だ。
「お前らご苦労だったな。ゆっくり休め」
パンッ!
オレの目の前で障子が勢いよく閉まる。
ぱふん。
オレの身体が布団に落とされた。
「威勢がいいのも可愛いが。暴れるなら俺の下だけにしろ」
着物の合わせ目を広げられる。
オレの身体、腰に巻き付いた帯がかろうじて引っかかってるけれど、こうやって袖も抜き取られたらほぼ全部裸なわけで……。
「やっ、ちがっ!」
オレはこんなことをしたいんじゃなくて!
強くなりたい!!
そう言いたいのに、骨張った指がオレの飾りを弄るから、甘い声しか出せなくなる。
「可愛い茶虎。お前を組み敷くのは俺だけだ……」
思いきり開脚させられたかと思えば、仙蔵さんの大きな一物が沈み込んでくる。
いつも飲み込むその形状をすっかり知ってしまった後孔は、与えられた一物を従順に咥えていく……。
「やっ、ダメっ! せんぞうさっ!!」
だって今朝、シたばっかり!
仙蔵さんってすぐにオレを解放しないっていうか。
テクニックがすごいっていうか……。
一度抱いたら長い時間をかけてずっとこうやって抱き続けるんだ。
ついさっきも全然解放させてくれなかった。
これ以上抱かれたら、オレ、今日はもう腰が砕けて立たなくなるんだよっ!
「さあ、暴れたいだけ暴れろ。そしてこの可愛い尻孔でうんと俺を受け入れればいい」
「っ、あっ、もっ、ああっ!」
仙蔵さんのおかげでその日もオレの最強計画が遠ざかっていくんだ……。
☆目指せ、オレの最強計画!/完☆
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