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第11話・貴方の気持ちが知りたい。(前編)
☆
「やっぱすげぇぜ仙蔵 さん!」
穏やかな昼下がり。
オレは鼻息荒くして10畳以上もの座敷中に広がる将棋のコマの数々を見下ろしていた。
パタパタ……。
勢いよく倒れていくコマは見ていて飽きない。
「……茶虎 」
「?」
呼ばれて振り向けば、仙蔵さんは“おいでおいで“と手招きしていた。
オレは嬉しくなって、胡座をかいている仙蔵さんの膝の上に乗った。
えへへ。
ここってばオレの特等席だぜっ!
ヘラヘラ口元が開いてしまうのは仕方ない。
なんたってオレ、仙蔵さんが大好きだからな!
柔らかな仙蔵さんの吐息が旋毛に当たる。
それが心地好くて分厚い胸板に身体を預けた。
カチ、
コチ、
カチ、
コチ、
時計の秒針が時を刻む。
ゆっくり時間が進んで行く……。
目の前ではパタパタと将棋のコマが軽快に倒れていく。
そうしたら、力強い腕がオレの着物の合わせ目に入ってくるんだ。
肌に触れたかと思えば、胸にある飾りをクリクリと弄り始めた。
「せん、ぞ、さ……」
息が荒くなるのは仕方ない。
だって大好きな人に触れられているから。
顔を上げれば、射貫くような鋭い目が貪欲に光ってる。
「んうう……」
同時に、唇が吸われた。
チュ、って音を立てて舌が重なり合う。
「っふ、んぅう……」
好き。
すごく好き。
オレはたくさんの好きを込める。
夢中になって仙蔵さんの舌を味わっていると、オレの下半身が広げられた。
「えっ? なにっ?」
「なあに、お前のここも可愛がってやろうと思ってな?」
オレの膝裏に腕が固定されたかと思ったら、思いきり開脚していく。
反り上がったオレと、後孔が全部見られる姿勢に変わる。
……クチュ。
「っふ、ああっ!」
骨張った左右の手の人差し指二本が同時に入った。
オレの一物から蜜が流れていたから後孔は濡れていたんだと思う。
クプ。
空気を含んだ水音がした。
仙蔵さんの指が後孔を広げるように動いていく。
「どれ? よく見せてみろ」
「やっ、せんぞうさっ!」
恥ずかしい!
絶対わざとだ。
オレの後孔、音を立たせるため、空気を入れるように指を動かして掻き混ぜてくる。
すごいエッチだ!
「たくさん蜜が溢れてきてるじゃねぇか? なあ? ほら茶虎、見てみろ。こんなに可愛い涎垂らしやがって」
オレの孔、仙蔵さんに弄られて……。
すっかり大きく膨れ上がった一物は悦び、蜜を垂れ流している。
「っひ。う!」
言われるがままに視線を落としたのがいけなかった。
まるでおしっこを漏らしてるみたいだ――。
オレの身体が一気に熱くなる。
「っふ、あああっつ!」
グプグプと音がする。
指が二本から四本になった。
肉壁の中にある感じる部分をコシコシと擦られて……。
頭の中がグルグルする。
「仙蔵さん! も、らめっ!」
喘ぎ続ける口からは唾が溢れ出る。
目は潤んでよく見えない。
うつ伏せにされて、腰が上がる。
そして、とうとう仙蔵さんの一物が挿入ってきたんだ。
オレのよりもずっとずっと大きい。
熱くて……。
「なかっ、とろけそうっ!」
「俺を煽るなと言っただろうが!」
ゆっくり挿入ってきた一物は、だけど途中で荒々しくなった。
勢いよく俺の最奥に打ち付けられた。
「あっ、っひ、ああんっ!」
オレは快楽に耐えられなくなって果てる。
だけど。
仙蔵さんの一物はまだ大きいままオレのお腹の中に刺さってる。
「そんなに締め付けるな、可愛がってあげられんだろう?」
ぼそりと耳元で囁く掠れた低音。
「っふあああ……」
それだけで、オレの身体から力が抜けていく。
そうしたら、仙蔵さんの一物が中で動くんだ。
浅く、
深く、
浅く、
深く。
その度に、水音と触れ合う肌の肉音が弾き出される。
「おれ、だきころされちゃ……ああんっ!」
「可愛いお前を殺させはせんさ」
そう言う仙蔵さんだけど、オレ、一度果てたから身体が敏感になってるわけで……。
仙蔵さんから与えられる何もかもに反応してしまう。
おかげでオレの一物はずっと蜜を垂れ流した状態だ。
「せんぞうさっ!」
もう一度口づけがほしくて名前を呼べば、薄い唇が降りてくる。
「っふ……」
唇も、身体も、深く重なり合う。
ひとつに混ざり合って、溶けちゃいそうだ。
「茶虎」
「っふ、も、また、イく、イっちゃうっ! ああああっ!!」
また、オレの一物が精を勢いよく吹き出した。
そうしたら、
きゅううう。
オレの孔が中にいる仙蔵さんを締め付けた。
おかげで仙蔵さんの一物の形がしっかりわかっちゃうわけで……。
「あ、おっき。仙蔵さんの。大きい! なかっ、も、いっぱいっ!」
仙蔵さんの口からくぐもった声が聞こえた。
野生の動物が呻り声を上げるみたいな、低い声。
同時に、じっとりと勢いよく最奥に向かって注がれる白濁。
「っあ、つい、仙蔵さんの、熱いっ! あああああっ!」
オレの下腹が仙蔵さんの白濁で膨れていく……。
☆第11話・貴方の気持ちが知りたい。(前編)/完☆
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