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いろごと。(後編)

「やあああっ、そっ、なっ!」  一物に触れてくれないもの足り無さ。  それと陰嚢をやわやわと扱かれたらたまらない。 「ごめ、なさっ、オレはせんぞうさんのだけっ!」  涙を流し、仙蔵さんに許しを乞う。 「そうだ。ここは俺のもんだ」 「っひ、あああっ!」  指が突っ込まれた。  孔に入ったのは骨張った太い指。 「やっ、ちがっ!」  オレが首を振って違うと訴えたらーー。 「まだ不服か? これでどうだ?」  三本の指を入れられた。  深いところでグリグリ中を好き勝手に動き回る。 「ちがっ! ああっ!」  オレが欲しいのは仙蔵さんの一物だ。  これじゃない。  だけど指も感じてしまうからたくさん蜜が飛び出す。  でももう、オレ限界。  仙蔵さんが欲しい。  ひとつになって溶け合いたい。 「挿入()れてお願いっ」 「何を?」 「せんぞうさんのっ、ほしいっ!!」  恥ずかしい感覚はもうない。  素直に伝えたのに、仙蔵さんはまだ挿入してくれない。 「挿入れてどうする?」 「掻き混ぜて、精子くらさい、オレのお腹に注いでっ!」 「よしよし、たっぷり愛液を注いでやろう」  お腹の中にいっぱい。  オレはコクコクと頷いた。 「っふ、ん……」  仙蔵さんは立ち上がる。  腰を固定されてオレの身体が浮く――。  後孔には待ちに待った熱い一物が与えられた。 「あっ、は……」  仙蔵さんの……沈んでいく。  オレの身体は宙づり状態だから、中にしっかり刻まれる。  いつもよりずっと深い。 「あ、深い、深いっ!!」  身体をくねらせれば、中に埋め込まれている一物がいっそう感じられるんだ。 「あっ、ああああっ!!」  おかげで上がる声は悲鳴に近い。  それなのにオレ、腰をもっとくねらせるんだ。  もっと仙蔵さんの形を知りたいって、身体がいう。  中にいる仙蔵さんを感じてイってしまうのは仕方のないことだ。  だってこんなに気持ちがイイんだ――。  ビュクウウウッ!  オレの一物から出た白濁は円を描き、勢いよく流れる。  ……ベチャベチャ。 「ひゃあう、かお、かかる……おれのえき……」  顔に自ら放った精液がかかる。 「もっと流せ。まだ欲しいだろう? こんなもんじゃ終わらねぇよ。なあ、茶虎?」  オレはイってる。だけどオレの中ではやっぱり仙蔵さんはまだ大きいままだ。 「っふ、ふああああんっ!」  気持ち良すぎてオレの目から涙が零れる。  そしたら――  ぺたん。  身体が下ろされた。  今度は座位になって――。  オレの腰が浮いた。 「あっ、深い! っひ、っひあっ」  仙蔵さんの力強い腕がオレの腰を上下に揺らす。  浮いては深く沈んで。  また浮いては、深く沈んで――。  もう、だめ。  焦点が合わない。  自分がどこを見ているのかさえわからなくなる。  ……ズブ、ズブ。 「ほら、お前の欲しがっている楔だ。たっぷり打ち付けてやろう俺以外のものに目も暮れないようにしねぇとなぁ」 「あっ、っひ、あっ、っひ」  その日、オレは夜通し抱かれ続けた。  ☆いろごと/完☆

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