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三毛と茶虎、人助けをする。(後編)

 はあ?  何言ってんのこの人。  嫌な予感はあったけどさ。  それにしてもこの人が探していたのは女の人で、野郎じゃない。  オレと三毛は野郎なわけで……。 「いやいや、女の子探してたんじゃねぇの?」  って、訊いたら。 「大丈夫! 君たちほど華奢ならドレスのひとつやふたつ、簡単に着こなせる! ウィッグをつけて髪の毛を調節してだな!」  はぃいいいっ!? 「勝手に話をすすめるな!」 「だめかい? やっぱり死ぬしか……」  男の人はまた身を乗り出す。 「だからヤメロって!」  オレが引っ張り、男の人を止める。  そして――。 「茶虎、可哀想だよ。お手伝いしてあげよう?」  とうとうお人好しの三毛はそう口にしたんだ。  あああああ。  こうなるだろう?  こうなるんだよ!!  嫌な予感が的中しちまったよ!!  ……はあ。 「……しょうがねぇな。わかったよ」  三毛は一度こうと決めたら梃子でも動かない。  強情なところもある。  そして三毛を置いて帰れないオレは、強制的に頷くしかないわけで――。 「とはまさにこのことだ! ありがとうありがとう! たすかったよ」  とまあ、そんなことになったんだ。 「うわ~、やっぱり二人ともすごく可愛いね! 思ったとおりだ!!」  男の人が経営する写真屋さんにやって来た。  三毛は白を貴重としたフワフワなドレスに金髪のウィッグをつけてポニーテール。  オレは、チョコレート色の三毛と同じくフワフワなドレスに黒髪のウィッグをつけてツインテール。  ヒラヒラレースがついた傘なんかを持ったり、巨大なクマのぬいぐるみを抱っこしたり。やれ上目遣いだの、悲しそうにしてだの。とにかく色んなポーズして疲れた。  その日から、オレたちは写真屋さんに通うことになったんだ。  もちろん、女装なんて恥ずかしいから仙蔵さんや龍には言ってない。  それが後々厄介なことになっちまうんだ。  それはまた、次の話。  あ~あ。  厄介なことに巻き込まれちまったぜ。  ☆三毛と茶虎、人助けをする。/完☆

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