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第三章・3

「征生さんは、脱がないんですか……」  ちょっと拗ねたような声音が、可愛い楓だ。  征生は苦笑いした後、耳元で囁いた。 「楓を怖がらせると、いけないから」  どういうことだろう。  楓には、解らなかった。  教えてもらえなければ、逆に知りたくなる。  楓は征生の腰に手を掛け、ベルトを外した。  ファスナーを下ろし、ペニスを掴み出す。 「いつも……、聞いてたんでしょ? 知ってるでしょう、僕が勉強部屋で何をやっていたのか」  そして、彼の先端に唇で吸い付いた。  上下のリップで締め付けながら、舌先で溝をなぞる。  それだけで、征生はどんどん硬く勃ちあがってきた。  形の良い指先で扱きながら、淫らに舌で舐め上げると、征生は大きく息を吐いた。 (油断してるよ、征生さん)  口に含んで上下に扱きながら、ちゅぷ、ぺちゃと音を立てながら、楓は少しずつ征生のトラウザーズを下ろしていった。  膝立ちしている彼の太腿まで見えたその時、楓は思わず愛撫を止めた。  そこには、波模様に桜の刺青がびっしりと彫られていたのだ。

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