7 / 80
第7話
オレは思った。
コイツ、どうかしている、と。
コイツは言った。
オレがさんざん泣かせた後で。
今日も強情に、入れさせなかったくせに。
おずおずと。
「つらくない?あの、良かったら僕の手で」
そして顔を真っ赤にして続けた。
「してもいいよ?」
コイツ、オレに何されてんのか分かってるのか。
監禁されて、いたぶられてるんだぜ。
コイツの目隠しをとる前に仮面をつけていて良かった。
オレの間抜けな顔は見えないだろう。
オレの沈黙を了承ととったのか、ソイツは真っ赤な顔をしたまま、震える指でオレのズボンへと手を伸ばしてきた。
オレはその手を止めなければならなかった。
が、止めたくないとも思っていた。
多分、こっちが本音だ。
ツライってもんじゃない、この何日。
オレを押しとどめているのは理性なんてものじゃない。
オレは知っているからだ。
コイツの了承なく突っ込んで、ぶちまければ、死ぬのはオレだからだ。
コイツらは選ばれた神の花嫁なんかじゃない。
呪われた者達だ。
だから、コイツにむしゃぶりついて、後少しでコイツのもんを飲んでしまいそうだった時、死にかけていたのはオレだったのだ。
しかし、あの一瞬、それでも良いと思ってしまったくらい、コイツは危険だ。
死んでもいいと思ってしまう。
コイツの出すものを飲めるなら。
ヤバいくらい、いやらしいのだ。
コイツは。
そのくせ、清らかで。
コイツの白い指が震えながらオレのズボンのチャックに触れる。
散々あれこれしてやって、ケツふりまくり、叫ぶような痴態まで見てるのに恥ずかしがる。
真っ赤な顔や震える指 の初さにたまらなくなる。
今さらのくせにコレか。
初めての夜のような怯える指。
可愛すぎる。
オレはコイツをもう止められない。
チャックが下ろされ、ズボンが下ろされる。
そこで、コイツは絶句する。
ちゃんと見せたことはなかったからな、今まで。
男のモンを自分のモノ以外では見たことなかったんだろう。
オレの下着から盛り上がるソレに怯えて手を伸ばせない。
その顔が気に入る。
ソイツの手をつかみ、オレのソレへと誘導してやる。
言い出したのはお前だ。
「僕、僕」
真っ赤になってうなだれる。
オレは下着を自分からおろし、それを握らせてやる。
さあ、やってみろよ。
コレは危険だ。
オレが絶対ズボンをおろさなかったのは、止まらなくなる可能性があるからだった。
コイツは危険だ。本当に危険だ。
拙い手の動きでオレをしごきはじめるその姿を見ながら、オレは荒くなる息を抑え、そのことを何度も自分に言い聞かせていた。
動きはつなかったが、コイツの指が触れていると思えばそれだけで射精できた。
その瞬間、俺はコイツを強く抱きしめていた。
ヤバい。
本当に。
ともだちにシェアしよう!