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第7話

 オレは思った。  コイツ、どうかしている、と。  コイツは言った。  オレがさんざん泣かせた後で。  今日も強情に、入れさせなかったくせに。  おずおずと。  「つらくない?あの、良かったら僕の手で」  そして顔を真っ赤にして続けた。  「してもいいよ?」  コイツ、オレに何されてんのか分かってるのか。  監禁されて、いたぶられてるんだぜ。  コイツの目隠しをとる前に仮面をつけていて良かった。  オレの間抜けな顔は見えないだろう。  オレの沈黙を了承ととったのか、ソイツは真っ赤な顔をしたまま、震える指でオレのズボンへと手を伸ばしてきた。  オレはその手を止めなければならなかった。  が、止めたくないとも思っていた。  多分、こっちが本音だ。  ツライってもんじゃない、この何日。  オレを押しとどめているのは理性なんてものじゃない。  オレは知っているからだ。  コイツの了承なく突っ込んで、ぶちまければ、死ぬのはオレだからだ。  コイツらは選ばれた神の花嫁なんかじゃない。  呪われた者達だ。  だから、コイツにむしゃぶりついて、後少しでコイツのもんを飲んでしまいそうだった時、死にかけていたのはオレだったのだ。  しかし、あの一瞬、それでも良いと思ってしまったくらい、コイツは危険だ。  死んでもいいと思ってしまう。  コイツの出すものを飲めるなら。  ヤバいくらい、いやらしいのだ。  コイツは。  そのくせ、清らかで。  コイツの白い指が震えながらオレのズボンのチャックに触れる。  散々あれこれしてやって、ケツふりまくり、叫ぶような痴態まで見てるのに恥ずかしがる。  真っ赤な顔や震える指 の初さにたまらなくなる。  今さらのくせにコレか。  初めての夜のような怯える指。  可愛すぎる。  オレはコイツをもう止められない。  チャックが下ろされ、ズボンが下ろされる。  そこで、コイツは絶句する。  ちゃんと見せたことはなかったからな、今まで。  男のモンを自分のモノ以外では見たことなかったんだろう。  オレの下着から盛り上がるソレに怯えて手を伸ばせない。  その顔が気に入る。  ソイツの手をつかみ、オレのソレへと誘導してやる。  言い出したのはお前だ。  「僕、僕」  真っ赤になってうなだれる。  オレは下着を自分からおろし、それを握らせてやる。  さあ、やってみろよ。  コレは危険だ。  オレが絶対ズボンをおろさなかったのは、止まらなくなる可能性があるからだった。  コイツは危険だ。本当に危険だ。  拙い手の動きでオレをしごきはじめるその姿を見ながら、オレは荒くなる息を抑え、そのことを何度も自分に言い聞かせていた。   動きはつなかったが、コイツの指が触れていると思えばそれだけで射精できた。  その瞬間、俺はコイツを強く抱きしめていた。  ヤバい。  本当に。

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