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第15話

 酷い人だ。   オレを変えてしまった酷い人。    「ここで、ですか」  オレは青ざめる。  「ああ、ここで、だ」  あの人はニコニコ笑った。  酷いことをする時程、あの人の笑顔は優しい。  あの人はオレに酷いことをするのが好きだ。  初めて抱かれた時もそうだった。    初めて抱かれた時も、公園で自分で服をすべて脱ぐように命じられた。  恥ずかしさに泣きながら、それでもオレは自分で服を脱ぎ捨てた。  ズボンと下着を脱ぐのは抵抗があって、思わずうずくまって泣いた。  「早く脱いでみせて」  あの人のに優しく囁かれてそうした   ベンチに座るあの人の膝に全裸で座らせられ、胸と前を泣くほど弄られた。  人の手でイカされることをあの人に教えられた。  そして、あの人は今みたいな笑顔で言ったのだ。  「自分で穴を解すんだ」  オレの指をしゃぶり、唾液で濡らしてから。   オレの穴へ、オレの指を誘導する。   「自分でここに指を入れるんだ。解すんだよ。男同士ではここを使うのは知っているだろ」  そして、乳首をやわやわと噛まれた。  ああ  かすれきった声が出た。  もうオレはまともに声さえでない。  恥ずかしいのと、感じすぎるので涙が止まらない。  「ああ、泣き顔がかわいいな」  あの人は上機嫌に言う。  可愛い、可愛いと言われると、それが本当のように思えてしまう。  オレがバカだからなのか。  さらにあの人は俺の胸を舐め噛む。  ああぁ  その執拗さにまた声をあげてしまう。  「ここも可愛いな。そのうちここだけでイケるようにしてやるよ」  乳首を吸い上げられ、指で潰され回される。  ふうぅ  もう呼気のような音しか出ない。  「ここをもっとヤらしい色にしてやるよ、まずはここを自分で解すんだ」  あの人は上機嫌に言って、オレの指を穴に押し付けた。  自慰さえそんなにしてこなかったオレに、そこに指を入れろと。  オレは指を当てはしたが、どうしても出来なかった。  「もう、素っ裸で公園で男に乳首吸われて、大声あげてんだ。穴に指を入れるくらい出来るだろ」  男は酷い言葉を言いながら、指は優しく俺の胸を撫で、髪を撫でる。  「なぁ、入れろよ。見たいんだよ、お前のそんなとこ」  あの人が恋人みたいに囁いたから、オレはオレの震える指を、そこに押し込んだ。  ん  呻く。  異物感しかなく、しかもきつすぎて入らない。  一生懸命押し込む。  やっとのことで人差し指の第2間接まで入った。  「回してみろよ」  オレの乳首を舐めながらあの人が言った。  んっ  ん  呻きながら指を回す。  「エロくて可愛い」  あの人が囁く。  あの人は、僕の空いている手を掴み、自分のモノをズボンの上から触らせた。  大きく固くなってるのがわかった。  「お前のせいでこうなってんだ。なあ、お前に入れたいんだよ。だからそこを解してくれよ」  あの人の囁きはオレを支配する。  オレ 必死になって指を動かすがうまく指が動かない。  そこには快感もない。  あの人はそんな僕を見て優しく笑った。   「やっぱりお前、可愛いな」  そういうと、俺を軽々と抱き上げてたちあがり、俺をベンチにうつ伏せに寝かせる。  「潤滑剤がないからな、やりにくいんだよ。後、お手本見せてやる」  その人はオレの尻を両手で広げた。その穴を舌で舐めはじめた。  最初オレはなにがおこったのか分からなくて、舌の感触に身体がピクンとはねた。  なに、これ、ああ  オレは譫言みたいに繰り返した。  ビチャビチャ、舐める音と感触に頭がおかしくなりそうだ。  オレ、昨日まで、ろくに自慰さえしたことなかったのに。  「潤滑剤の代わりだよ」  あの人は囁く。  「奥まで入れておこう」  あの人の舌が穴の中まで入るように動き、オレはいたたまれなさと、気持ちさでおかしくなりそうだった。  おかしくなる、もう、おかしくなる  オレはそう叫び続けた。  「指はこう入れるんだ」  あの人の指が僕の穴に触れた。   そして、オレに侵入した。  最初はオレが入れた時と変わらない違和感だけだった。  だけど、あの人はそこを見つけ出した。  そこを刺激された瞬間に電流が走った。  えっ ウソ、これ、なに、  瞬間で射精していた。  はぁぁあ  オレは悲鳴のような声をあげた。  「これがお手本、さあ、やってみろ」  あの人が耳を噛みながら囁いた。  オレはベンチの前の地面に両膝をつき、後ろの穴に指を入れて、弄っていた。  あの人はオレと向かい合ってベンチに座りそんなオレを楽しそうに見ている。  あの人の服はほぼ乱れてないのに、オレは素っ裸で。  オレは、公園で男の前に素っ裸で膝をつき、尻の穴に自分で指を突っ込んでいる。   自分が信じられなかった。  男が弄った時ほど上手くはいかないが、それでも 快感のようなものは感じるようになったし、今は指が三本入るようになった。    はぁ、  小さな吐息がこぼれる。  「そろそろいいよな」  あの人はそう言った。  そして、命令した。  「オレに尻を向けて、四つん這いになるんだ」  酷い言葉は髪をやさしくなでながら囁かれた。  「その前に俺のモノを咥えて、しっかり濡らすんだ。お前のソコを傷つけないようにね」  あの人の声は酷く優しい。  あの人はオレの前に立った。  あの人はズボンのチャックをおろし、たちあがったそれを取り出しオレの顔の前に近づけた。  あの人はもう何も言わない。  オレは、オレは。   それを自分から咥えたのだ。  しっかりと舐める間、オレの髪をあの人は優しく撫でていた。   「四つん這いになれよ」  あの人はそして言った。  オレはそうした。  オレの穴にあの人のモノが当てられた。  ゆっくりと容赦なく、それが入ってくる。  ふぅ  オレは苦しくて悲鳴のような息をはく。   「お願い、少し止めて」  哀願する。  だけど、止めてくれない  痛みに涙がこぼれた。  「お前、可愛いなぁ」  あの人が笑った。  指で涙が拭われる。  「自分で前を弄ってみろ。痛みが和らぐ」   オレは痛みから逃れるために、自分の前をしごく。  快感が生まれ痛みを紛らわせる。  「いいね、お前。エロい」  あの人が初めて余裕をなくしたように息を荒げた。  突き上げられた。  痛い。   あげたのは悲鳴だ。  また突き上げられる。  痛い。  オレは悲鳴をあげた。   腰を回され、突かれ、揺さぶられる。  オレはすすり泣いた。  どこにも甘さなんてなかった。  早く終わって。  終わって。  それだけをねがった時だった。  はぁ、  オレの身体がはねた。  あの場所だ。  あの人が指で刺激した場所。  そこをあの人のモノで強く擦られたのだ。  また、擦られる。  はぁぁ  もうかすれた声しか出ない。  オレは身体が支えられなくて、地面に顔をすりつける。  「しっかり、身体を支えろよ」  あの人が言いながら、腰をしっかり突かんで叩きつける。  それが焼けるような快感をオレの中に生む。  あああああ  オレは地面に顔をこすりつけながら叫ぶ。  「お前の中、悪くない。お前なかなかいいよ」  あの人が興奮したように言うのが嬉しかった。  さらに激しく突かれた。  気持ちいい  オレは叫んでいた。 「 奥も、気持ちいいんだぜ、覚えろ」  あの人はささやき、深く突き入れる。  何度か繰り返されると、入り口あたりとは違う快感が押し寄せてきた。  ああ、  奥が当たる、  気持ちいい  そう叫びながらオレもう腰を振っていた。  「オマエ、なかなかどころか、スゴイいい」  あの人が余裕なく呻いた。  浅く深く突きいれられ、オレは快感に声をあげた。  夢中で腰をふる。  オレは公園で素っ裸で、男相手にケツふって大声でよがってる。  昨日までは模擬テストでどれだけ良い良い結果を出すかしか考えていなかったのに。  その事実が遠く感じられる。  あの人が低く呻いた。  熱いものがオレの中で爆発した。  あの人がオレの中で放ったのだ。  オレは声をなくして叫び、射精した。  「最初から後ろでイケるなんて、スゴイよオマエ」  手放す意識の中であの人がそう言ったのがあの日の最後の記憶だ。                      

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