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第21話

 あああ  コイツが声をあげる。  背中をそらし、また射精する。   もう身体を支える力も失って、俺が抱える下半身以外は地面になげだされている。  白い身体も顔も草と泥まみれだ。  「まだだ」  俺は穴に入れた指を抜いてやらない。  また入り口あたりから、やんわりと回していく。   はぁ、  コイツの唇が吐息をこぼす。  そんな状態でも、コイツは感じる。    「後ろでイクのは得意だろ。なぁ」  俺はいいところをいじってやる。  コイツの好きなところ。  はあん、  コイツは尻をふる  涎をたらし、目がトロンとしてきてる。  さっきからこの穴だけで、イカされ続けているのだ。   涙や涎、そして泥まみれで、いつもなら可哀相に思ってしまうだろう姿が、残酷な気持ちしかおこさせない。  俺は指を動かす。  ああああ、  コイツの背がまた反り返る、  身体が痙攣する  出さないでコイツがイッたのだ。   「もうドライでも何回もイケるもんな。すっげえヤらしい」  完全に意識を飛ばしても、また俺はそこに刺激を与え続けてやる、  また、コイツの身体が痙攣した。   続けざまにドライでイッたんだ。  もう意識もないくせに。   こんなにも、いやらしい身体、俺は知らない。  俺の指や舌でこんなにやらしくなったくせに。  のくせに、俺に入れられることは拒否する。  のくせに、俺から逃げる。  あんなキスまでしておいて。  俺から逃げる。  俺から。  「なあ、どこまでやったら、オマエ俺のもんになるんだよ」  俺は自分が泣いていることに気付いた。  俺はやっと、止まることができた。  コイツを殺しかけていたことに気付き震えた。  泥だらけのコイツを俺は抱きしめ、俺は声をあげて泣いた。  そして、コイツの泥だらけの顔にそっとキスをする。  せっかく生まれかけてた優しいものを、俺は俺の手で壊してしまったのだ。  触れるように繰り返す、唇へのキスは酷く苦かった。      

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