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第33話
もっと
もっと
もっと
オレはひたすら声をあげた。
こんなに激しくされたことはなかった。
久しぶりに感じる、オレの中のあの人のモノが、いつもより熱く、固く感じられた。
それがオレの好きなところを何度もこする。
ああ、
ああ、
ああ、
もっと突いて、
オレは懇願する。
それは与えられる。
大きく回され、突かれる。
はあん
はあ
オレは乱れる。
いつも、獣のように背後からか突かれるか、上に載せられ自分で動くように命令されたことしかなかったのに、オレの脚を肩に担いであの人は前からオレを抱いていた。
何時もとは違う角度が、たまらない。
何よりこんな風に求められていることが感度を上げる。
「ダメって言って」
緩やかに腰をまわすごとで、オレをトロトロにしながら、あの人が囁く。
いつももオレが卑猥であればあるほど喜ぶあの人が。
その表情は見えない。
オレは真っ暗にされた部屋であの人に抱かれているから。
一 番奥を犯される。
いつもよりも深い。
だめ、
だめぇ、
オレはあの人の望む言葉を叫び、腰を揺らす。
オレの言葉にあの人が、狂ったように、奥を激しくついた。
ああ、
奥に当たる、
オレは身体をのけぞらせる。
「嫌って言って」
あの人が囁く。
嫌、嫌、
嫌、
いやぁ
あの人のモノを存分に味わいながらオレは望まれるままさけぶ。
拒絶の言葉を叫ぶ度、あの人はさらに激しく、深くオレを犯していく。
こんなに余裕のないあの人はしらない。
涙が止まらない、
それを優しく熱い指で何度も拭われ、優しく舌でなめとられる。
嫌、
そう叫びさえすればもっと与えられた。
だめ、
そう喘ぎさえすれば、もっと泣かされた。
終わらない快感がオレを満たす。
それは激しいだけじゃない、優しい夜。
オレはこんな夜があることを知らなかった。
「一緒にいこう」
そう囁かれる声さえ優しくて、オレは泣きながら放った。
こんなに優しいあの人は知らない。
でも、それは。
今、オレが身代わりだから。
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