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第36話
沢山の殺された僕達。
10年に一人、100年に10人、1000年に100人。
祭りはどれほど昔から始められていたのだろう。
連なるように歩く花嫁達の行列は終わりがないかのよう。
その列にやっと終わりがありそこに姉様がいた。
「神様は山から降りてくるのよ、お堂には祭りの日に人々が神様を招いているの」
姉様は僕の前を通り過ぎながら呟いた。
あの日の白装束。
目元と唇の紅も鮮やかなままに。
姉様、そう呼ぼうとしても、声は出ない。
追いかけようとしても身体が動かない。
「終わりにしなさい。私達のためにも」
姉様は振り向きながら言った。
行ってしまう。
姉様はほほえんで、最後に言った。
「大好きよ」
姉様はとても綺麗だった。
僕は目をさます。
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