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第38話
もういきたくて、いきたくてたまらないのに、根元をつかまれ、いかせてもらえない。
「まだだ」
あの人が耳元で優しく囁く。
腰はさらに激しく打ちつけられるのに、
さらに大きく回されるのに。
オレは泣く。
結局、こんなに優しくでもこの人は意地悪だ。
いかせて、お願い
オレは懇願する。
耳元で、あの人が笑い、今度は奥を激しく突く。
あああ
背中をのけぞらせ、叫ぶのにまだ許してくれない。
そうすれば、与えられると知った魔法の言葉をオレ は必死で叫ぶ
嫌、
嫌、
嫌、
そう言えばいかせてもらえると思ったのに。
呻くような声をさせ、あの人はオレの肩を咬んだ。
オレは悲鳴をあげる。
「ああ、喰ってやりたい」
さらに奥でじっくり回される。
ひぃ
オレは辛すぎて 、もう良すぎる快感が辛すぎて。
「いつもみたいに、駄目って言ってみろよ」
あの人も余裕はない。
興奮してかすれきった声に胸が高鳴る。
駄目、
駄目、
駄目、
オレが叫ぶとあの人は大きく動き始めた。
浅く、深く、浅く、深く
頭がおかしくなる。
許して
オレは絶叫した。
「いくぞ」
あの人がやっと根元を離してくれたのと、熱いものがオレの中に吐き出されるのは同時で、
あああああ
オレはただ、叫び続けた。
オレは今までで一番長い射精をした。
それはいつまでも終わらないような快感で、意識が飛ぶのがわかった。
「愛してる」
あの人が確かに、囁くのが聞こえ、すさまじい快感の中で、胸の奥が冷えるのを感じた。
これはオレに与えられた言葉じゃない。
絶望しながら遠ざかる意識の中で、その言葉は優しい雨のように口付けながら繰り返されていた。
「愛してる」
「愛してる」
それは、オレじゃないんだ。
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