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第46話

 僕の胸を熱い手が這う。  コレは夢だと分かっている。  夢のようなもの。  祭りの前の夜、姉様もそうだった。  その日だけは入ることを禁じられた姉様の部屋で、姉様があげる声を僕は震えながら聞いていた。  町に帰ってきた僕に町の人々は何も言わなかった。  ただ、慌てて僕を沐浴させ、白い衣装をきせて、屋敷の花嫁の部屋に押し込んだ。  僕はここで一夜を過ごす。  僕はここで夢を見るのだ。  祭りの前に力を増した、アレ、もう、絶対に神などとは呼ばない、が、僕を味わいに来たのだろう。  仮初夜。   花嫁が資格があるかどうかを、アレが調べに来たのだ。  でも、なんで、この手は。  あの人のものに似ていて、あの人のように。  ピクン僕の身体が震えた。  ダメ、  僕は声を上げた。  あの人がするみたいに乳首を押しつぶされまわされ 反対側をなめあげられた。  それは、間違いなく、あの人が僕にしたやり方で、あの人の指で、あの人の舌で。  嫌、やめて、   僕は喘ぐ。  僕は気づく。  コイツは僕の中に入っている。  僕の脳の中に。  そこから、この愛撫を引き出しているのだ。  いけない。  計画がバレてしまう。  あの人の指が、後ろの穴に浅く出し入れして、不意にあの部分をこする。  ダメ、  ダメ、  僕は泣き声をあげる。  そのやり方もあの人のもので。  僕が思い出したあの人のやり方そのもので。  僕にケガさせてからは、あの人はずっと僕に触らなかった。  指や髪に躊躇いがちにキスすることはあっても。  だから、僕の中には熱が、たまっていて。  あの人に快楽を教え込まれた身体は、切なくなっていて。    そんな風にされたらたまらなかった。  僕は、あえて快感にのることにした。  何もわからなくなってしまえばいい。  快感だけを読ませてやればいい。  そういう理由さえ与えれば、僕は簡単に快楽に落ちた。  実体をもたない者によって行われるあの人の行為の再現は、不可能を可能にした。   僕は前をしゃぶられながら、乳首を噛まれ 、後ろの穴を舐められた。   僕は乱れる。  嫌  嫌  嫌  僕は叫んだ。  腰をふり、射精する。  後ろに指を入れられながら、前をこすりあげられ、乳首を押しつぶされる。  ダメ  ダメ  何人ものあの人に犯されている感覚は、たまらなかった。   ああ、僕はこうされたかったんだ。   僕はすっかりあの人とすることが気に入っていたことに気付く。  何度かイカされ、僕は解放された。  どうやら、僕は花嫁として合格のようだ。  つまり、僕は花嫁としての最終審査に通ったわけだ。  僕はとにかく夜具に横たわる。  明日だ。  明日だ。  

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