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第52話

 日がくれた頃、お堂の扉が突然開いた。  僕は目を上げる。  あの日の僕には何も見えなかった。  でも、今の僕にはそれが見えた。  白い着物に黄金の仮面。  人の形をとってはいても、それは普通の人間の二倍の背丈があったし、手脚の長さが異様なまでに長く、明らかに人間ではなかった。  扉はひとりでに閉まった。  それは滑るように近づいてくる。    黄金の肌。  赤い髪。  仮面のような顔。  裂け目のような目は3つあり、金色の瞳が僕を映し出す。  つり上がった大きな唇はまだ閉じられたままだ。  いや、この仮面のような顔こそが本当の顔なのでは。  僕の前まで進むと、ソレは止まった。   僕はただ怯えた。   ソレは美しいとさえ言えた。  異形の美しさ。  ソレの目が静かに僕を見下ろした。  「あの」  僕は話をしてみようと唇をひらいたその時だった。  ソイツの固く結ばれていた唇が不意に開かれた。  そこから飛び出した沢山のそれが僕にむかって襲いかかってきた。   赤黒く濡れてのた打つ、何百本もの触手のようなもの。  それは僕の手足に巻き付き、僕を宙吊りにした。    キシャア  ソレは触手を口からのばしながら叫んだ。  僕は確信した。  話などできない。    知性など感じなかった。  コイツはただ、僕を犯すためだけにここにいるモノだ。  手足の自由を奪われ、僕はこれから起こることを知っているからこそ、恐怖した。  ソレの着物から出ている手のようなものが金色の触手が何本も束ねられたものであることがわかった。  それが伸びてきて、僕の手足に絡みつき、僕の手足を縛っていた赤黒いぬれた触手は、それと代わり、今度は僕の肌を這いはじめた。  ぬらぬらと熱くぬれた感触が、気持ち悪い。  突然それらが僕の口の中に入ってきた。    顔を振って逃げようとしても、金色の触手が顔を押さえつけて逃げられない。  口を閉じようとしても、触手達に阻まれる。  何百という細い、熱く濡れたものが口の中で蠢く。  気持ち悪い。   僕は悲鳴をあげた。  口の中で脈打ちながら、それは蠢き、熱く、喉の奥深く強引に侵入してくる。  僕はむせる。  苦しくて涙か止まらない。  コレはまるで。  あの人に無理やりあの人のモノを、口内入れられた時のようで、   そこまで考えて僕はゾッとした。  コイツの性器はこの赤黒い触手なのかもしれない。  そう考えた瞬間、ドクンと口の中でソレが爆ぜた。   喉の奥に何かが放たれた。    僕は、それを飲まざるをえなかった。    えづきながら。  ただ、ソレ は甘い味のする粘液だったけれど。  おそらく、コイツの精液だ。  そう思うと吐き気がした。  口の中を何百本ものこまかい触手が犯していく。  その蠢くモノは気味悪く、僕は吐き気をこらえるはずだったのだが。  ああ  僕は呻き声を漏らした。  また、甘い粘液が口内に吐き出された。     僕は自らの意志でそれを飲んだ。  自ら、絡みついてくる触手に舌を絡ませていった。  触手が口内を犯すことが、とてつもなく気持ちよく感じ初めていたのだ。    粘液のせいか、と思ったけれど、もうとまらなくなっていた。  舌を、触手の固まりに自分から求めるように這わせていく。  唾液が口の端からこぼれる。  僕は夢中になって、それを舐めしゃぶった。  それから放たれる粘液が欲しくて。  手足を縛る、金色の触手が僕の肌へと広がっていく。   僕の着物の襟元から、触手は侵入していくのを僕は感じた。    嫌っ  僕は口の中を犯されながら、そう叫んでいた。  金色の触手が僕の乳首に絡みつき 、こすりながら押しつぶすような動きをしたからだ。  身体の感覚をおかしくする粘液を飲まされたせいか、触手の感触がたまらない。  ただでさえ、あの人に開発されてしまった僕はそこでだけでイケるようになったいるのだ。    口から、一部の赤黒い触手が抜けて、乳首へと回る。  金色の触手が、擦り撫でさする乳首を、赤黒い 濡れた熱い触手がもみ込むように覆ってくる。  指でなでさすられ、潰されながら、噛まれ、舐められるような感覚が僕を襲う。  嫌、嫌、やめて!!  僕は口の中を犯されながらうめく。   執拗にいたぶられる乳首からの快感が凄まじい。      いやぁ  いやぁ  僕は叫ぶ。  キュッと乳首を締め付けられ、ねっとりと舐められた。  あああ  僕はアソコが立ち上がっていることを感じた。  胸全体に触手が広がり、やわやわとなであげられ、いやらしく、ねっとりと乳首を捻られ、しゃぶられるように触手が動いた。  嫌、ダメ、嫌  僕が叫べば触手は一層淫らに蠢いた。     ああああ  僕は叫んで放つ   僕は化け物に胸だけでイカされていた。    

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