64 / 80
第64話
僕は終わらない快楽の中で泣き叫び続けていた。
それは、快楽で。
ただただ快楽なだけで。
ただただ脳を、身体を焼くだけで。
僕を殺すために。
違う。
違う。
僕はそう思い続けていた。
僕の知る快楽は、
もっといやらしくて。
身体を通して、僕の心に触れたがった。
身体を溶かしてしまえば、僕の身体に触れられるかのように。
僕の羞恥を、僕の欲望を、僕の快楽を、
貪欲に貪りながら、僕に届こうと足掻くような、セックスだ。
こんなのじゃない
腰を振り立て、
射精しながら、
涎を流しながら、
僕は叫び続けた。
それは、快楽で、快感で、
このまま死ぬのだなと思いながら、
僕はコレが違うことだけを感じていた。
ともだちにシェアしよう!