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【●●●side】 ふわりと、香って来た匂いに、久方ぶりに目覚めたのかと思った。 珍しく、時空の中で寝ている彼女が、何かを察知したのは、明らかだろう。これは、兆しなのか、それとも必然か。 母親が使った術式が、難解過ぎるのも問題だが、此処で、目覚めたのも縁なのだろう。 私の中で、ほんの悪戯心が芽生えた。 えぇ、君が思っている以上に楽しい遊戯になるかも知れない。 何たって、未来で、君は…。 暗黒鏡で覗いた世界は、本当に時空術が発動しているのが解る。 嘗ての神は、手がかったのが好きだ。各言う彼女も、また、手が込んだ事を得意としていて、次の時代に送り込もうと考えているのだろう。 『暁の御子』は、必ずしも一人ではないのだから。 「彼女合わせて、御子が、五人でしたっけ…」 そういや、忘れていた。 だけど、彼は、冥界王族の血筋。 彼女と同じ『暁の御子』だ。 偶然ではなく、運命に近い…。 宿命だ。 「あんな小さな魂でも、必死に生きていて…眠っている状態。時が来るまで、目覚める事も無いと、彼は解っているのだろうか。否、レイナが教えていないですね。肩に乗っている御霊の事…」 あれは、楽しみを取っておく癖がある。 況して…。 忘れられし王族『グラーデン』の皇子は、精霊に愛されやすい体質だとは、教えたくないだろう。 此処だけの話、彼が気付くのは、随分、後かも知れない。 「まだ、見ぬ、御子を待ち遠しく待つのも果報かも知れませんね…」 それが、何時なのかは、時の神しか解らない。 私は、チェスの駒を動かしながら、先の事を考えた。天界に、八つの椅子がある様に、魔界にもある。 冥界には、少し変わった座があるのを知っているが、拝む事が出来るなら、冥王であるレイナの兄を跪つかせてから見たいものです。 死神界のは、あまり、触れたくないけど、アチラにも兄が居ましたね。

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