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出会い6

 ほとんど人と接触なく生きてきた彼に、裸にされて肌を撫でられるだけでも刺激が強すぎた。  なのに、キスされ、唾液を飲まされ、他人の指で前を弄られイカされた。  もう、いっぱいいっぱいだった。  「嫌・・・」  自分が声を出して話していることにも気付いていない。  「僕は気持ち良くしてあげたでしょう?・・・だからお願い」  男が髪を撫でながら囁く。  顔の前にあるのは、自分のモノとは比べものにならない質量のモノで、しかもガチガチに反り返っている。  これを咥えろと男は言うのだ。  キスどころか、ハグさえ今日までしたことのなかった彼に。  気持ち良くだって・・・されたというか、了承しないままされたというか。  彼には訳が分からないままされていることで。   そんなことにお返しと言われても。  それに、どうしてもと言うのなら、男がしたみたいに指でするだけでもいいはずだ。  何故、咥えろと。  彼は自分だけ裸にされていることにもまだきづかず、ただ呆然とする。  「・・・君に入りたい。でも、まだ君の準備が出来てない・・・一度出さないと、酷いことをしてしまう。口でいい。君の中に入らせて・・・」   男はしゃがみ、彼の唇を舐めて、優しく何度も唇を重ねる。  それは気持ちいい。  そして舌が入ってくる。   その違和感には慣れた。  絡められる舌に大人しく自分の舌を絡める。  繋がることは気持ちいい。  優しく貪られる。  「ね、気持ちいいでしょう。人の身体が入ってくるのは。舌もコレも同じだよ・・・いれさせて」  男は耳元でささやいた。  絶対に違う。  舌とコレとは違う。  大体大きさが違う。  こんなに凶悪なモノ。    彼はさすがに首を振る。  「指舐めたみたいに、舐めて・・・」  髪を撫で、またキスされながら呟かれる。  背中を撫でられる。  優しい指。  優しい指。  唇。  懇願する目。  男は立ち上がり、それを顔に近づけた。  「口開けて」  優しく懇願される。      切ない眼差しに負けて、彼は口を開いてしまった。     後頭部を抑えこまれ、それはゆっくりと口内に押し込まれていった。  彼の口にはそれは大き過ぎた。   彼は戸惑う。  どうすればいいのか。  「指舐めたみたいに舐めて」  囁かれる。  指とは大きさが全然違う。    髪がせがむように撫でられる。  仕方なく、精一杯やってみる。  舌を口の中のモノに這わす。  また大きくなり、彼は怯える。  これ以上大きくなるなんて。  「唇で挟んで動かして」  男がかすれた声で言う。  分からないままに彼はそうする。    小さな唇を精一杯ひらいて動かす。  舌で舐めて、唇で扱く。  小さな笑い声。  「・・・下手くそ」  酷いことを言われた。  でも、愛しげに髪を撫でられる。  熱くて、脈打つそれを言われるがまま彼は舌や唇で愛撫した。  これでいいのか分からなくて、上目遣いで男を見る。  男は耐えるような顔をしていた。  良くないのだろうか。   彼は不安になった。  「・・・可愛い」  男が呻いた。  「ごめんね」  先に謝られた。  後頭部が抑えつけられ、喉の奥に男の大きなモノが押し込まれた。  苦しさにえづく彼の頭を抑えつけ、男は喉の奥を犯す。  彼は涙を流す。   苦しい。  何をされているのも、わからない。  引き離そうとするけど、おさえつけられる。  「可愛い・・・可愛い・・」  男はそう言いながらそこをこすりたて、喉の奥で放った。  えずきながら苦しむ彼の口から自分のものを男は引き抜いた。  「飲んで」  顎を掴まれ開かないようにされ言われた。      その酷い味のものを彼は飲むしかなかった。  えずき、むせる。  男はピアノの上にあったペットボトルのミネラルウォーターを彼の唇にあて、中身を注ぎ込む。   「ごめんね、苦しかった?飲んで・・・」  ミネラルウォーターを彼は苦しげに嚥下する。  「・・・僕のを全部飲めたね」  男は嬉しそうに囁き、彼を抱きしめた。  「もう、嫌だ・・・」  彼は泣く。  当然だ。  彼の性的な知識は小学生程度で、今行われた行為の意味さえわかっていないのだ。 「ごめん。ごめんね。・・・でも、止めてあげれない。・・・もっと酷いことをするかもしれないけど」  男は抱きしめながら言った。  「嫌だ・・・」  泣きじゃくる彼の首筋に唇を落とす。  涙を流す目尻に甘く唇を落とし舐める。    甘やかすように、唇は頬や瞼や唇に落とされる。  その甘さに彼は少し落ち着く。  「僕は酷いね・・・。わかってるんだ」  彼は床に押し倒される。  唇は、彼の日にほとんど当たらない真っ白な胸に、淡く色づく乳首に落ちる。  ビクン。  彼の身体が慣れない感触に震えた。  ちゅっ  音を立てて吸われた。   「ふうっ」  彼は思わず声を出してしまい、そんなことに怯える。  「・・・何、コレ・・・怖い」  彼は怯える。    男は震えるような喜びを感じる。    真っ白だ。  何にも知らない。  可愛い。  自分が汚れきっているからこそ、愛おしかった。  白い胸を撫でる。  この滑らかな手触りを誰も知らない。  乳首の感触を舌と唇であじわう。  ここの味も誰も知らない。  可愛い。  舌が唇がそこで夢中に動くのを男は止められない。  「あっ、はぁっ!!」  彼がまた身体をこわばらす。  でも、これは、感じているのだ。  また 立ち上がってきている。    「気持ち良い?」  尋ねる。  「・・・あっ、はぁっ・・・わからな・・・い」  彼は答える。  慣れない快楽に怯えきって。   なだめるように頬を撫で、乳首を甘く噛む。  「ああっ!!」  彼は怯え、泣きながら叫んだ。  「可愛い」  男は囁く。  愛おしかった。  「僕のにしてしまうね。僕だけのに」  立ち上がったモノに手を伸ばし扱いてやる。   「いやっ」  身体をよじって逃げようとするその動きに、煽られる。   感じていてるのに、怯えて逃げようとする姿が、必死でこらえる姿が、たまらなかった。  「嫌じゃないくせに」  指でそれを弄りながら、乳首を舌で転がす。  ビクン  ビクン  身体が震える。    「・・・」  声を唇を噛んでこらえている。  「駄目、綺麗な唇が傷になっちゃうでしょ」  顎を掴んで、歯をゆるませ、下をいやらしくゆっくりと、そんなこと自分ではしたことももないだろう動きで、いたぶりながら、キスをする。  口の中に彼の声が吸い込まれる。  泣いている。   泣き顔が綺麗だ。  「許して・・・」  怖がり哀願する声も、男を煽るだけだった。  男の手でまたイカされ、彼は泣きじゃくっている。  抱きしめてあやす。髪を撫で背を撫でる。  抱き心地がちょうど良い。  「ここから、酷くしちゃうかもしれないけど・・・ごめんね」  囁く。   彼の身体がその言葉にビクンと震え、突き放して逃げようとするのを抱きしめて逃がさない。  「止めてあげれない」  また立ち上がり固くなったモノを、わかるように、彼の身体にこすりつけながら男は言った。  「コレを君の中に入れる。そして君を僕のものにする」  「口は嫌・・・」  先ほど喉を犯された恐怖に彼は怯える。  また入れるって。  こんな大きなモノを。  喉を塞がれ、死ぬかと思ったのだ。  「口じゃないんだ・・・」        男の指が背中から伝って行く。  そして、その穴の周りをなでた。  まさか。  彼は驚く。  「無理、そんなの入らない!!」   彼は叫んだ。  男は笑う。   可愛い。  本当に何にも知らない。  「入るよ。口でするのは苦しかっただろうけど、ここでは出来るだけ気持ち良くしてあげる。僕の指は気持ちいいでしょう?」  思い出させるように、前を扱く。  「・・・もう、嫌・・・」  手を振り払おうとする。  「・・・そのうち、もっとしてってお願いするようになるよ」  男は囁く。  「何回も何回もしてるうちに大好きになるよコレが。なんなら毎日してあげる」  「毎日・・・?」  彼は不思議そうに呟く。  この男と会うのは、今日で最後なはずなのに。  「そう。だから、僕のモノになって。もう少し、頑張って」  男は彼をうつぶせにした。  真っ白な背中に舌を這わせ、ゆっくりと降りていく。    白い尻のあまりの白さと滑らかさに、思わず噛んでしまった。  彼が呻く。  白い尻を割り広げれば、そこにまだ誰も入ったことのない場所があった。    今日から僕の。  男は微笑む。  もう少しでここにはいれる。  そう、思うとたまらない。  ゾクゾクしながら、舌をそこへと伸ばした。  ぺちゃ   ぺちゃ  舐められる音と、濡れた暖かな感触。  何をされているのかを悟り、彼は真っ赤になった。  「やめて!お願い!やめて!」  恥ずかしくて泣き叫ぶ。   でも、腰を抑えつけられ許してもらえない。  「そんなとこ舐めないで・・・」  泣きじゃくる。  性的な予備知識がない彼には、あまりにも恥ずかしすぎた。  「気持ち良いでしょう」    男は心が追いついていかない身体を、ひたすら溶かしていく。    「はぁっ、やだっ・・・ああっ」  泣きながら、彼は身悶えする。   ぴちゃ  ぴちゃ  舌を差し込まれた時には恥ずかしさと、そこから痺れる感覚に泣き叫んだ。  許されない。  さらに舐めたてられる。  しかも前まで扱いてくる。  泣いても許してもらえないと、ぐったり力を抜くことを覚えた時には、もう、指がそこに差し込まれていた。  「上手に力が抜けるようになったね。ここも覚えた?」  そこを擦られる。  焼けるような感覚に呻く。  強い刺激すぎて快感なのかもわからない。  ただ、彼の前がビクンビクンと脈打ち、ダラダラと汁をたらす。  指が増やされた。  「一度イっておこうか」   男は穴を解しながら、前を扱きたてる。  前からも、後ろからもクチャクチャと言う音がして、彼はその恥ずかしい音に耐えられない。  「やだぁ」  彼は泣く。  でも、もう力の入らない身体はその指を受け入れていた。    「イって・・・」  甘くささやかれた。  「ああっ!!」  白濁が男の手の中に吐き出された。   ハアハアと息を荒げる、彼の白い身体。  ここに入る。  男の喉が鳴る。  男はその液体を穴に塗り込んでいく。  「・・・本当はね、家に連れて帰るつもりだったんだよ。こんなところじゃなくて、僕のベッドで抱いてあげようと思ってた」   ごめんね、優しく頬にキスを落とす。  最初は歌声。  そして、隠された美しい顔。  でも、ただ音楽にのみ反応する姿が可愛くて。  男のピアノを夢中で聞く姿が愛しくて。    この世界から、この汚れきった世界から切り離された美しいモノ。  汚したい・・・そう思った。  汚れてしまえば、側においておけるだろうか。  犯したい。  僕のモノをぶち込んだで注ぎ込みまくりたかった。  汚さないと、僕の汚さに逃げてしまうだろ、君は。  でも、君は・・・。  彼はまた押し込まれた指にみだれる。    「ああっ、ダメ・・・、イヤ!」  涎を流し、首を振り、涙を流す。  透明な涙。  子供のような泣き顔。  「綺麗だ」  男は呟く  彼は綺麗だった。  欲望の中にあっても。  抱かれた、抱いた、沢山の人達は欲望にまみれた時、吹き出すほどに醜く、きっと自分もそうなんだと思ってた。  でも、彼だけは綺麗なままだ。  男は思わず、彼の白い首筋を、血がにじむほど、かんだ。  「痛い」  彼が泣く。  「印だよ。僕だけのモノだっていう」  男は囁いた。  マーキングなんて。  どうかしてると思った。  もう、彼に入る前から、彼に捕まっていた。    

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