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再生3

 車を止めてと言ったのは彼で。  そして、そうすると言ったのは彼で。  男は彼の髪を撫で続けていた。  愛しすぎた。  「無理しなくていい・・・」  男は言う。  でも、彼が運転席の下に潜り込み、懸命に自分のモノを小さな口で咥え、必死で唇で扱く姿はこらえきれれないくらい、いやらしくて、興奮してしまう。  「口でするの嫌がってたのに・・・」  男にすれば感動モノだ。    「気持ちいい?」  唇を離され、彼が心配そうに聞く。   「もういつ死んでもいい」  正直に男は答える。  本音なのに彼が笑った。  たまらなかった。    可愛すぎて喉を犯したくなるのを我慢する。  「・・・いいよ、酷くしても」  彼が考え読んだように言った。  「そんなこと言ったらダメだよ、本当にしちゃうから」  男はたしなめる。  「いいよ・・・あなただったら」  彼は言った。   「本気にするから!」  男は耐える。  数ヶ月ぶりの彼だ。  ただでさえ理性がきかないのに。  「いいよ・・・」  綺麗な目が男をみていた。  本当に許してくれていた。  男は呻いた。  「好きだ」  そう呻いた。  そして、彼の口に自分のものを押し込み、喉の奥を犯した。      初めて抱いた時以来の彼の中に夢中になった。  苦しいだろうと思いながらも、喉の奥でこすりたてた。  苦しげな表情に煽られた。  後頭部を抑えつけ、犯しながら、嬉しくてたまらなかった。  本当に自分のモノになってくれたのだと実感して。  喉の奥に放たれたものを、彼は飲んでくれた。  「水・・・」  ただ、やはり、水は欲しがったけれど。  水を口移しで与えた。  「やっぱり・・・不味いよ」  彼は文句を言った。  可愛くて抱きしめた。   「後はベッドでしよう・・・」  出して少しは落ち着いたはずなのに、家までの道がやたらと長く感じられた。  「・・・最後までしても・・・いい?」  聞いてしまった。  赤くなってしまった。  そんな柄じゃないのに。  嫌がっていた口でするのもしてくれたなら・・・。  もしかして。  挿れさせてくれるかと。  期待があった。  「・・・いいよ」  彼が恥ずかしそうに言った。  彼も真っ赤だった。  思わずアクセルを踏み込みそうになった。  家までの道は今までで一番遠かった。    やっぱり、ソコはキツくて、暖かで、気持ち良かった。  初めての日以来の彼の中に入っていく。  彼に苦痛を与えていないか表情を探る。  彼は眉を寄せて喘いでいるけれど、この顔は苦痛ではない。  二人はソファで抱き合っていた。  恋人があの男と抱き合っていたベッドを使うのは、彼には耐えられなかったから。  彼の負担がないように、背後からゆっくりと挿れた。  解している時に思ったことを、あえてこのタイミングで聞いてみる。  「僕が触ってなかったのに、柔らかいよね。・・・自分でしてた?」  彼の身体があっという間に、真っ赤に染まり、言わなくてもそうであること語る。    「ここに挿れたかった?」  ゆっくり揺する。    「あっ・・・いい、気持ち・・いい」  彼は喘ぐ。  良い時には申告するように男が教育した成果だ。  可愛い。  「挿れて欲しかった?」  男はさらに聞く。  「・・・欲しかっ・・た。あなたが・・・欲しかっ・・た・・・好き、好き・・・」  男の呼吸が止まる。  彼の口からの明確な告白は初めてだったから。  「・・・殺してしまうかもしれない」  呆然と男はつぶやいた。  カブリ  首筋を血がにじむまで噛んだ。  彼はその苦痛さえ受け入れる。  そして、ゆっくり優しく始めるはずだった行為は・・・。  貪られるようなモノへとかわってしまった。  「優しくしたいのに!」  男は呻いた。  「ごめん、ごめんね」  男は言いながら腰を叩きつけた。  「気持ちいい・・・ああっ・・いい」  彼の声に、気持ちよくなってくれていると知り、さらに理性を失う。  腰を抱え、一番奥を犯す。  彼のまだ知らない場所だ。    彼はその感触に怯えた。    「何っこれ・・・ああっ、何っ!!」  でもそれは嬌声になる。   「ここだと出してないのに・・・イけるから」  彼は囁く。   そこを味わう。  吸いつかれるような感覚を楽しむ。  「あっ」    短い声を上げて彼が軽く飛んだのがわかった。  何が起こったのかわかっていないのが可愛い。  「今のが中イキ」  顔をこちらにむけてキスしてやる。     「顔見てしたい・・・」  怖かったらしく、泣く彼がせがむ。  それがまた可愛い。  男はつながったまま身体をひっくりかえした。  「好きって言って」  男はせがむ。  「好き・・・好き・・・」  彼は繰り返す。  アーモンド型の綺麗な目。  逸らすことなく見つめられる。  「好き・・・」  彼が囁く。  その言葉でイく。   気持ち良かった。  知らなかった。  好きな相手とすると、こんなに気持ちがいいなんて。  でも、足りない。  まだ足りない。  また動き始める。  まだ中でしかイっていない彼を出させてやる。   前立腺を擦りあげて、射精させてやる。   「あっ、ああっ!!」  彼は身体を震わせてイった。  「・・・次は一緒に・・・」  男はせがむ。  「ん」  彼が微笑む。  男への顔へ、指が伸ばされた。  「オレのあなただ」  嬉しそうに彼は言った。   男の頬をなでる。  本当に嬉しそうに。  「オレだけのあなただ」  胸が痛い。  セックスなんて肉欲そのままのことをしているのに、切なすぎて、胸が痛すぎて泣きそうになる。  「君だけの僕だ。君だけのモノだ」  囁き返す。  彼は男の首に腕をまわし、男を抱き寄せた。  そんなことを彼からされたことはなかった。  だからされるがままにまかせた。  彼から唇が重ねられた。  求められ、彼が舌を絡めてきた。  男は激しいキスでそれに答えた。  「泣かないで・・・」  キスの合間に囁かれて、自分がまた泣いてしまっているのを知る。  嬉しい。    人に好かれるのが嬉しいなんて、誰か一人に好かれるのがこんなに胸が痛むなんて思わなかった・・・。   男は幸せな気持ちで、彼を貪り続けた。    誰も彼のこんな顔は見たことないのだろう。  そう思う。    綺麗な顔が辛そうで、耐えるようで、でも、いやらしくて気持ち良さそうな顔。  というより、他の誰にも見せたくなんかない顔。  「ヤらしい顔・・・絶対僕以外には見せたらダメだからね」  腰を早めながら言う。  「見せ・・・る、わけ、ない・・・あっ、もう出る・・・」  彼が不思議そうに言い、そして絶頂が近いことを、告げる。  「もう少し頑張って、一緒にね・・・」  甘やかすように、言いながら、根元を掴んでイかせないようにする。  「僕が良いっていうまで、イったらダメ」  囁きながら、男も達するために動く。  「んっ・・あっ・・」  もう苦しんでるではと思う表情を彼はする。でも、潤んだ目や、色っぽく染まった目元が違うことを教えてくれて、いやらしくてたまらない。  あの無垢な彼がこうなる。  こんないやらしい生き物になる。  でも、それを知っているのは自分だけなのだ。  幸せだった。  掴んでいた手を緩めた  「イって・・・」  囁いた。  自分もイく。   彼の中に出す。  「あああっ!」  彼は一声大きな声を上げて、そこから白濁を吐き出しながらイった。   長く続く射精に、彼は痙攣していた。  「止まんない・・・あっ・・!」  彼は叫んでいた。  イく顔を男はじっと見ていた。   眉が寄せられ、目が閉じないぎりぎりに狭められ、だらしなく淫らに唇が緩められ、軽く舌が覗いていた。  いやらしすぎる顔に男はゾクゾクした。  僕のだと思った。    信じられないほどの満足があった。  「・・・僕の」  抱きしめた。  「うん、オレはあなたの」  彼が頷いた。  その声にさらに強く抱きしめた。    幸せだった。  二人してとも。

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