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贖罪2
「お気に入りでしょ」
そう囁いたのは誰だったか。
誰かが気を回したのだ。
彼は酒を飲まされ、意識を失い、ベッドに寝かされていた。
二人きりの部屋。
男は腹立たしかった。
少年をみておけと言ったのはこういう意味じゃない。
でも、一人にはしておけない。
ベッドに腰掛け、少年を見守った。
少年は何かいって呻いた。
苦しいのか、と思った。
シャツのボタンをはずし、ズボンをゆるめた。
綺麗な首筋が見えて、男はゾクリとした。
少年の白い下腹。
少年がろれつの回らない舌で何か言って笑った。
赤い舌。
ダメだと思った。
ダメだ。
少年が目を開けて男を見つめ、安心したように笑った。
「飲みすぎたぁ・・・」
信じきった顔だった。
そして、また目を閉じた。
ダメだと思った。
俺は壊してしまうだけだ。
まだどうすればいいのかわからない。
優しくする方法もわからない。
信じてくれている。
だからダメだ。
でも、男は我慢が出来なかった。
我慢などしたことなかった。
欲しいものは全て奪ってきた。
それとこれは何が違う。
腕が少年に伸びるのを止められなかった。
そのシャツを引き裂くように脱がす。
ズボンを引きずり下ろす。
服を全て剥ぎ取る。
少年の身体は年のわりにはまだ未発達で、まだ子供で、でも、男は充分欲情した。
それが少年の身体だったから。
少年が入っている身体だったから。
少年が入ってさえいれば、どんな身体でも欲情できた。
ベッドサイドに用意されていたローションを掴んだ。
その穴にたらし、ほぐす。
せめてそれだけは。
それくらいは。
「・・・・畜生」
男はつぶやいた。
こんなはずではなかった。
こんなはずではなかった。
こんなはずではなかった。
でも、男は少年を引き裂いた。
少年が泣き叫び、許しを乞うても引き裂き続けた。
他の方法をしらなかったから。
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