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 別にいま、むりやり引っ張っていかなくてもいいけど、三宅さんに間宮が言いに来ないと言っていた。この件は早い方がいいはずだ。間宮一人だと言いに行けるのはいつになるかわからない。間宮は最近部屋にいる。部屋の扉は空きっぱなしだから、たぶん僕たちの部屋は除きやすくて入りやすい。だから、三宅さんが僕達の部屋にくれば話は早いけど、たずねてこない。二人でいるはずなのに静かな部屋、さらに物差しがついてる意味不明さは除きやすいよりも不気味さが勝っているからだ。 「三宅さんいい人だよ?」 「別にそこはどうでもいい」  愛想はないけど、間宮は普通の人間だ。もうすこし愛嬌があればいいけど、少しづつ笑ってる顔を見れるようになってきて、僕たちはもっと仲良くなれるはずだ。そしたら間宮は僕を足掛かりに、ほかの人とももっと話せると思う。手始めに三宅さんはちょうどいい。 「行かない?」  あがるテンションをなんとかおさえて聞いてみた。間宮はトントンと持ってるシャーペンで数度机をたたく。 「どのみち、その三宅さんには合わないといけねーか……。 リビングって広いの? 三宅さんの他にいま誰かいる?」 「広いよ。ダイニングと併せて三十畳近くあるんじゃないかな。さっき見たときは、三宅さんだけだった」 「さっきってことは、ほかのやついる可能性もあんの?」 「見てこようか?」  三十畳ある部屋での許容範囲の人数はどれぐらいなんだろう。教室がしんどいってことは人が多すぎると扉が開いてようが閉まってようが関係ないのかもしれない。 「そういう意味じゃねぇよ。葉山とかってリビングいんの?」 僕が部屋をでようとするところをとめられた。 「いまはどうだろ。たまにいるけど。リビングに久河さんがゲームおいてて、自由につかっていいんだよ。葉山さんは久河さんに引っ張られたらいるときもある。ふだんは外か、部屋にいるみたいだけど」 「おまえはそれでいいのか?」 その質問でようやく間宮の聞きたい主旨がわかる。葉山さんに僕はつかまったし、間宮もつかまった。 「僕は別に。仲良くないけど、葉山さん、とびかかったりはしてこないよ? でもそうだね、会いたくないか」 「おまえがいいならいい」 間宮はそう行って立ち上がった。あの時、ブラックナイフに間宮もいろいろされたはずだ。本人が何も言わないから、聞けてない。本当に悪いことしたなと思う。まだあの時のことも全然話せてない。もう少し、仲良くなれば、気軽に聞いて話せるようになるだろうか。

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