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第13話 カーナビ⑥

「友と一緒のときは迷ったっていいから。おまえと過ごす時間はどんなときでも楽しいんだよ。ときには近道なんかより、わざと遠回りしたくなる」 「先生……」  ……なんだ、先生もオレと同じ気持ちだったんだ。  友一の心がほっこりと暖かくなる。 「それにナビのあの声が、おまえと二人きりの空間に入ってくるのも嫌だしな。ナビなんか使いたくないよ。……あれは目的地までの近道を教えてくれるものだから、仕事でどうしても、おまえ以外の相手を乗せなきゃいけないときは、いつも使ってる。さっさと目的地に着いてしまいたいからな」 「ん。分かった。……でもさ」 「ん?」 「助手席にはなるべくオレ以外を乗せないで欲しいな……」  友一がそう訴えると、剣上は端整な顔をしかめて言った。 「あの女、後部座席だと酔う、とか言いやがったんだよ。オレだって助手席には乗せたくなかった」 「……それ絶対、その女、先生に一目惚れして狙ってたんだよ。やだな……。先生も実は悪い気しなかったんじゃないの? 美人だったし」  再び疑心が戻ってきてしまった友一が、剣上を見上げると、 「友一……、おまえな、そういうこと言うなら……」  彼の手が、制服のズボンの前をくつろげ、直に友一のソレを握った。 「あっ……、やだっ……」 「そんなにオレのことが信じられないのか? おまえは……」  友一の耳元で少し怒ったような声が囁き、剣上の手が巧みにソレを擦りあげていく。 「あっ……あん……、も……、先生っ……」  大人の男の手で愛されて、友一の限界はすぐにやって来る。  だが、あと少しで高みへと昇りつめるというとき、剣上の指が友一のソレの根元を強く握った。 「あっ……、先生、やだっ……やっ……、やっ……」  そんなふうにされてしまうとイキたくても、イケない。  友一は、もどかしさに悶えた。

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