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第24話 恋人の登場②

「友一はオレのものだからな。おまえにも、他の誰にも渡す気はないんでね」  剣上はそう言うと、友一の傍まで歩いてきて、肩を抱き寄せる。  友一と剣上が寄り添っているのを見て、良太はようやく剣上の言葉の意味を理解したようだ。  だが、それでもまだ半信半疑と言った感じで、友一に聞いてきた。 「友一、嘘だろ? おまえが剣上と、なんて」  良太の瞳には、『否定して欲しい』という切実な気持ちが現れていたが、勿論、友一も本当のことを言うまでだ。 「……本当だよ。オレと剣上先生は一年生の頃から付き合ってる」 「…………!」  絶句する良太に、友一は更に言葉を重ねる。 「オレは先生のこと真剣に愛してるし、先生もオレのこと真剣に愛してくれてる」  剣上が友一の肩を抱く手に力を込めてくれるのが分かった。 「……嘘だ……、そんなの、嘘だ……」  良太は弱々しくそう繰り返したあと、憎悪の籠った目を剣上へ向け、叫んだ。 「最低だな、剣上、あんた。自分の生徒に手を出すなんて……! なにが学校一のイケメン教師だよ!! とんだ淫行教師――」 「やめろっ!!」  友一は鋭い声で、良太の罵声を遮った。 「先生を悪く言うのは、許さない……! たとえ良太でも」  いつも穏やかな友一の激昂に、良太は少し臆したような表情を見せた。

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