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第25話 本気の恋

 だが、すぐに良太は怒りの表情に戻り、友一に向かって叫んだ。 「友一、おまえ、剣上に騙されてるんだよっ! 漫画やドラマの中とは違うんだ。生徒に手を出す教師なんか最低じゃねーか!!」  友一は今度は激昂しなかった。  剣上の体に自分の体を密着させると、静かに言葉を紡いだ。 「……それは違うよ、良太」 「え?」 「オレのほうが先に先生を好きになったんだよ」 「友一……」  良太が困惑する。 「オレ、先生のことが好きで好きでたまらなくて……、だからオレ、先生を誘惑したんだ」 「やめてくれ!! そんなこと聞きたくねーよっ! 友一っ。……それに、どっちにしろ、生徒に手を出した時点で最低なことには変わりねーし……!」  良太の激しい憤りに、剣上は余裕の笑みで応じる。 「あいにくとオレは聖人君子じゃないんでね。友一みたいな魅力的なやつを放っておいたら、ちょっかいかけてくる男も女も後を絶たないって思ったから、とにかくオレのものにしたんだよ」  剣上の言い方には、二人は既に体の関係があることを匂わせるようなニュアンスが含まれ、良太は吐き捨てるように言った。 「最低で最悪だな、剣上、あんた。教師の資格ねーよ!」 「最低でも最悪でも結構。オレを断罪して教職を辞めさせたければ、好きにしろ」 「先生、それは……」 「いいんだよ、友。オレが大切なのはおまえだけだから」 「でも……」  二人の様子に、良太はあからさまに顔をしかめた。

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