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 予告していた通り、公園を四人で散歩した。依田がボールを投げてマジックテープでキャッチする用具を持っていたのでそれで遊んだ。男四人でむさいけど、これがなかなか楽しく、盛り上がった。なんだかんだで、みんな体を動かすのが好きな男子高校生なのである。ある程度遊んでここから四人で昼ご飯を食べに行くかと思われたけど、依田が、四人とも別の店行って食レポしてきてほしいと言ったので、四人はいったん別れて昼ご飯を食べに言った。  集合場所のバス停に横尾が行くと東が先に待っていた。 「早いな」 「俺、近かったからね。横尾こそ早いな」 「俺、ラーメンだったからそんなに長くはいれないだろ」 「確かに」  まだ待ち合わせ時間には時間があった。  横尾は東を盗み見た。一度きれいな顔と気づくといつみてもきれいだ。そういえば横尾は新見と依田とはよく話すけど、東は比較的いつも横で笑っていることが多いし、クラスでも慕われているので二人で話すことが今まで少なかった。 「なんか俺の顔ついてる?」 「横顔きれいだなと」 「横尾って、さっき彼女いたって言ってたけど、男はその追っかけてきた男だけってわけじゃなく、たんにどっちもいける感じ?」 「俺、きれいなものが好きなんだ。だから見た目がきれいならどっちでもいける。今のところ男はそいつだけだけど。女は別に化粧すればきれいになるからどんなでもいいけど、男は素材が大事だな」  実際、横尾は男女どっちのグラビアも好んで見る。 「俺の顔好きなの?」 「好みで言えば、わりと。濃いより薄いのが好きかな。あときついのも。でも、男は男臭いのもそれはそれで好きだから、なんでも好きだね」  自分で言って節操がないな思ったけど、これは、見た目の好みであって、どういう人が好きかという質問ではない。横尾は見た目だけなら、かわいいのも、かっこいいのもきれいであれば等しく好きだ。 「ふーん」 「好きな人って、意味なら別に顔はなんでも。俺がきれいにするから。髪の毛ちゃんとセットして、眉整えて、総プロデュースしたい」 「そういうのが好きなのか? 美容師とかになんの?」 「んー。まぁ、それで考えてる。だから、練習もかねて、今度、出かけるときはセットさせてよ」 「断る。そういうのは新見にしとけ」 東は横尾のお誘いをそっけなく断った。 「新見かわいいよな。好みじゃないけど。ちょっと幼い感じがいいんだろうな」 「ごめん、まった?」  まってないよ、と横尾と東は今までの会話をさらっとなかったことにして、さわやかに返事した。  新見の後に、自分で設定した時間を依田が遅刻して現れた。まった?ー、となんの焦りもなく間延びしたいいかたをした依田に横尾が張り手をいれた。 「いってぇ」 「バス来たからいくぞ」  バスに乗って四人が次に移動したのは駅直結の大型のショッピングモールだ。そこそこはやっていて、服の買い物に利用されることが多い。  四人は雑貨なんかがある階をうろうろとまわった。

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