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 予定はそのまま進んで、晩ご飯はそのモールで一番人気らしいイタリア料理屋で、別々の料理を食べた。わけて食べて、個人個人で味の評価を言いあって、それを依田が携帯に打っていた。行儀がわるいと思ったけど、なかなこういうのも楽しい。  満腹になった四人はバスを乗り継いでスクールバス乗り場へ向かった。  スクールバス乗り場はさびれた駅の近くにあって、山の麓にある大学とバス乗り場の直通便に、一時間に数回、バス乗り場、大学、学校の寮、高校と経由していくバスが出ている。天白の高校生は基本引きこもりだが、バスを使うときはこのバスに乗る。 「大学ってこのバス乗ったら通るけど、入ったことないや」 人が少ないので四人は一番後部座席に並んで座った。 「大学通るわりに、大学生、全然乗ってこないな」 東と新見が横で話してるのを聞き流しながら横尾は窓の外の景色を見ていた。 「大学生は、直通のるんじゃね。このバスそんなに出ないしね。ほぼ、七組専用みたいな」 「七組専用?」 横尾にとってよく知らない単語が出る。 静かに携帯に記事を打っていた依田が顔をあげた。 「七組、知らないの?」 「知らない。二人は知ってる?」 二人は顔を見合わせてから、東が話す。 「俺もあんまりよくは知らないなけど。パンフレットとかに載ってるよ。教室の後ろにある机使ってる人たちだよね」  東が言った言葉に依田がうなずいた。 そう言われて確かに教室後ろに使われてない机が一つあるのを思い出した。 「あれ使われてたっけ」 「結構、使われてるよ。いつも違う人が使ってるよね」 「そうそう。七組は特別クラスで、自分で授業を選択できるから、好きなクラス行って授業受けるはず」 「なんだそれ」  東も新見もなんとなく知ってるがよくわからないようで要領を得ない答えに依田が補足説明をする。 「一芸に秀でる人たちの集まる特殊クラスが七組なんだよ。七組も大学組とそうじゃない組で2パターンあって、大学組は大学から頭いいやつとかがへッドハンティング受けて、ゼミの研究室に勉強しに行けるんだ。それで単位もらえる。青田買いだな。もう一つの大学じゃない組は、なにか外で功績をあげるか、社会実績を獲れればそれで単位が認定される」 「その、大学組がよく使ってるバスってことか」  高校と大学を行き来するのがこれだけだということは七組専用になるのもわかる。 「天白生は朝市になんでもあるから出不精多いし、平日はもっぱら大学組専用みたい」 依田が人通り七組の説明を終えたところで、バスが大学に着いた。 「あ、バス止まったね」  観音開きのガラス戸の通用口の前でバスは止まった。近代的なデザインの3階立ての建物が目の前に建っている。もちろんこれだけではなく、ここを抜けると広い敷地に棟がたくさんたっている。  降りたのは四人だけだったので、ほかの乗客はみんな寮に帰るんだろう。  バスは降車位置から少し先にある乗車位置に移動した。そこには数人が並んでいる。 「ほら、あの人ら、七組だよ。二人並んでるのが二年の藤原さんと美藤さん。後ろにいるのが、一年の内山かな?」 二人組の背の高い男と、その後ろにふくよかな男が並んでいた。

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