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みんなでご飯 1
「すっげー、いい匂いする」
依田は寝ころんで、横尾を仰ぎ見た。
「確実に旨いわ。依田もたまには役にたつな」
横尾が圧力鍋を開けると、煙が大量に出てきた。
今は東の部屋で、横尾は依田としゃべりながらが調理をしていた。東本人は今、シャワーにいっている。
依田が実家から食べ物が送られてくるから、なんとかして、一緒に食べようと言ったのは今朝のことだった。いつものメンバーで集まって、特待生で一人部屋の東の部屋で夕食を食べることにした。東の部屋で開封した大きな段ボールには、一人では食べることができないような大きな豚のブロック肉が入っていた。
「絶対、料理できないだろう息子に送る品じゃないな。一人でも食べきれないし」
「俺んち、田舎の地主だからこんなん、いっぱい近所からもらえるんだよ。だから、息子を思っての品じゃなくて、親戚に食べきれないから送るーって感じ」
なんとかして、の意味がわからなかったけど、料理できないやつにこんなもの送られてきたら確かに困るなかもしれない。段ボールは大きく、豚の他にもきゅうりやナス、パプリカなどの野菜もあったのでそれも横尾は腕をふるった。料理はもう完成しつつある。いい匂いが部屋を見たしていた。
「こんばんわ!」
新見はノックしてから東の部屋に入ってきた。くせなのか、彼はいつもインターホンの存在を忘れる。
「みなみ、さっきぶりー。 あれ? なんか持ってる?」
新美は手から学校の副鞄を下げてきた。
「おかしいっぱいもってきたよ!」
「それもいいけど俺の料理もしっかり食べろよ」
夕飯は豚の角煮と、米とサラダと焼きなすだ。
「凌くんは?」
「シャワー。もうそろそろ帰ってくるはず」
「お酒とか飲めたらいいのにね。二人はお酒飲める?」
「俺は、あんまり。好きだけど」
横尾の家は夕食に食前酒という形で横尾にも食卓でそそがれた。そもそもお酒にはゆるい家だったので、飲む機会は多くあったが、あまり強くはない。
「俺はまったくのめないわー」
「依田はポイわ」
依田は失礼なと怒った。
「ヨコが飲めないのは意外かも」
「ただいま」
待ちに待った東が帰ってきた。
「おかえり。ご飯できてるよ」
「なんか、ただいまって言って、おかえりって帰ってくるのいいな」
東は髪の毛はまだしっとりとしている。服はジャージだ。
「先に風呂いっちゃってごめんな」
「場所を提供してもらってるんで、主は自由に行動してください」
横尾は自分の隣に手のひらをひろげて、東を案内した。正方形のローテーブルに囲むように座る。
豪華な食事がとりどりと机に並んだ。
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