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第14話
次の日の朝の事。
窓から差し込む光で目を覚ます。
朝だ…。
夜が明けるまで熟睡できたなんて、彼と別れてから初めての事だった。
今、何時だろう…。
乾燥してしまって上手く目を開けられない。
パチパチと瞬きを繰り返しながら手探りでスマホを探す。
「起きたのか、環生 」
柊吾 の声だった。
「……!!」
まだ半覚醒だった俺の脳は一気にスイッチオン状態になった。
俺は柊吾の脚に自分の脚を絡めて、抱き枕に抱きつくみたいにくっついていた。
「ご、ごめん…!あっ…うわぁぁ!!」
大慌てで体を離したら、勢い余ってベッドの下に転がり落ちた。
「大丈夫か、環生」
尻もちをついてしまったから痛くて起き上がれない。
「無理。痛いよ…」
「だろうな。漫画みたいな落ちっぷりだったぞ」
柊吾は、笑いながら俺を助けてくれた。
「気分はどうだ」
「あ、うん…」
俺の事、心配してくれるんだ…。
昨日あんなに迷惑をかけたのに。
「柊吾のおかげで朝までぐっすり」
「そうか。それなら今日もここで寝ろよ」
「…いいの?」
そこまで甘えてしまっていいのかな…。
でも、そうしてもらえたら嬉しい。
まだちょっと一人で夜を迎えたくないから。
「あぁ、お前泣き虫だからな」
言葉も眼差しも全部が優しい。
胸がキュンとした。
こんなに優しくされたら好きになってしまいそう…///
「ありがとう…」
「ん…。起きるぞ。朝メシの時間だ」
柊吾はそう言いながら俺の手を引いた。
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