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第15話

「あぁ。おはよう、柊吾(しゅうご)環生(たまき)」 2人で部屋から出たら、廊下で仕事から帰っていた麻斗(あさと)さんと鉢合わせた。 「お、おはようございます///」 セックスをした訳じゃないのに、完全にお泊まりした次の日の朝みたいなシチュエーションで恥ずかしい。 俺は慌てて繋いでいた手を離した。 「可愛い。恥ずかしがらなくてもいいのに」 麻斗さんはクスクス笑いながら近づいてくると、そっと俺の耳元で囁いた。 「柊吾は優しかった?」 「えっと…あの、その///」 優しかったけど、優しかったって言ったら誤解を招きそうだし、否定したら柊吾が酷い人みたい。 「麻斗は環生で遊ぶな。環生もいちいち反応するな。行くぞ」 呆れ声の柊吾は先に歩き出した。 「麻斗さん、おかえりなさいです」 「ただいま、環生。ありがとう」 流れるような動きで腰を抱き寄せられる。 可愛いを連呼され、頰にチュッチュとただいまのキスをされた。 頰に触れる唇がくすぐったい。 「もう、麻斗さん…///」 照れる俺を見た麻斗さんは、面白がってさらに顔中に唇を寄せてくる。 「環生もおかえりのキスしてよ」 麻斗さんは俺を抱き寄せたまま頰を差し出す。 「ほら、1回だけ」 期待を込めた表情で俺を見るから断りづらい。 全然エッチな雰囲気でもないし、頬くらいなら…。 俺はドキドキしながら麻斗さんの頰にチュッとキスをした。 「ありがとう。そうだ環生、朝ご飯が終わったら一緒にお風呂入ろう。背中流してよ」 麻斗さんはそう言いながら、また俺の頬にキスをした…。

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