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第2章 第14話(※)side.秀臣
〜side.秀臣 〜
初めて環生 を見た時、体に衝撃が走った。
俺が求めている理想のモデルだと思った。
色白で華奢で控えめな優しい顔立ち。
さほど目を引く外見ではないはずなのに、何故か目で追ってしまう。
この子は化けるに違いない。
その未知数な感じが、たまらなく創作意欲を刺激した。
俺の芸術を完成させるには環生が必要だと思った。
環生は不思議な子だった。
まるでパンケーキだ。
添える物でスイーツにも食事にも、何にでもなれる。
もちろん味を足さなくても素朴で美味しい。
プレーンのパンケーキみたいな環生は、素材を引き立てる力を持っていた。
どんな色合いやデザインの洋服も、環生に着せると魅力的に見えた。
もちろん何も身につけていない無防備な環生も無垢で美しかった。
創作意欲を高める手伝いをして欲しいと頼んで、時々環生を部屋へ呼んだ。
驚いて、戸惑って、恥ずかしがって…。そうかと思えば好奇心旺盛で思い切りもよかった。
思いやりのある環生は、俺の気持ちや考えを察する努力をしてくれた。
口数が少ないのが災いして、どうしても誤解されてしまうし、自分の世界に入り込んでしまうと、なかなか他人の気持ちを汲み取る事ができない。
きっと嫌な思いもさせただろう。
でも、環生はそんな俺にも愛想をつかさなかった。
俺が困らないよう、自分の要求を素直に口にするようになった。
麻斗 や柊吾 から見たら、環生が俺にワガママやおねだりを繰り返しているように見えたかも知れない。
でも、俺は明確に言葉にされた方が対応しやすかった。
それに、環生の願いを叶えると嬉しそうに笑う。
俺にはそれが心地よかった。
環生に着せた洋服を切り刻んで、肌に口づけて、その姿を見ながら自慰をする俺を見ても、環生は俺を変人扱いしなかった。
『俺は割と何でも受け入れてしまうし、気持ちもコロコロ変わるから、世界観が確立してる秀臣さんはすごいです』
と、尊敬の眼差しで俺を見た。
理解できないながらも、俺の感性に寄り添おうと努力してくれた。
横になっている環生を抱き起こすと、甘えるように体を寄せてきた。
柔らかで吸い付くような肌。
俺の胸に添えた小さな手が愛おしくて、思わず握りしめてしまった。
「環生、どうして欲しい?」
「…後ろから抱きしめて…奥まで挿れて…」
しなやかな手で俺の頰を撫で、誘うように唇を重ねてきた。
普段と違う妖艶な様子に、ゴクリと息を飲んだ。
普段はきちんと『です』『ます』で話すのに、切羽詰まった時や甘える時は口調が砕けるところが可愛らしい。
背面座位で抱いて、奥まで可愛がってやろうと思い、足を投げ出してベッドに座った。
「この体位初めてだから…秀臣さんにお任せしてもいい?」
恥ずかしそうに俺に背を向けながら、膝にまたがった。
初めての4Pで新しい体位に挑もうとしたり、俺に丸投げしたりする環生の思い切りのよさ。
俺を信用して、身を委ねる姿に胸と頰が熱くなるのを感じた。
「環生、お尻をよく見せてくれないか」
「…秀臣さんのエッチ。そんなの恥ずかしいよ…///」
口では嫌がるそぶりを見せながら、麻斗に促されてゆっくり上半身を前に倒す。
俺に向かってお尻を突き出すようなポーズをした。
真っ白で小さな丸み。
両手でその柔らかい部分を揉んだ。
程よい弾力と張りがあって、滑らかで手に馴染む。
腰からの緩い曲線や、臀部の輪郭を撫でた後、指先でそっと色づいた孔に触れた。
「んっ…」
環生の大切な部分を見るのも触れるのも初めてだった。
柊吾を受け入れてローションで潤っていた環生のそこは、誘うようにヒクついている。
思わずじっと見つめてしまった。
「秀臣さん、早く…」
切ない表情で俺を見るから、すまない…と伝えて、腰を撫でた。
ここで麻斗なら『環生のお尻が可愛いから見惚れた』と、甘い言葉をかけるんだろう。
柊吾なら『お前のここ、俺を欲しがってるぞ』と、官能的な言葉をかけるんだろう。
環生を喜ばせる言葉一つかけてやれない自分がもどかしい。
でも、環生の喜ぶ顔が見たい。
「環生…、一つになろう」
環生は少し頰を染めて小さくうなずいた。
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